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[日記2005年09月04日(日)に思った生活のこと

あんなに一緒だったのに

あんなに一緒だったのに

ふと思い出したので、書いておこう。

結婚直前で捨てられた男の話だ。彼のことはK、彼女のことはY子と呼ぶことにする。KとY子は同棲していた。趣味やセンスも近しく、まぁ、お似合いのカップルだった。ところが、いよいよ結婚するぞというとき、破局が訪れた。
Y子が、昔の男とヨリを戻してしまったのである

「あんなに一緒だったのに……」

※以下は、私の勝手な推測であり、事実に反する場合があることをお断りしておく。

「あんなに一緒だったのに……」

とKは嘆いた。
しかしそれこそが原因だったのではあるまいか?

恋をして、手をつなぎ、キスをして……。
異性とふれあう喜びは、なにものにも代え難い。この瞬間を永遠につなぎ止めておきたいと思う。より長く、一緒にいたいと思う。邪魔が入らなければ、一緒にいる時間はどんどん増えていく。

……すると、馴れてくる。
相手がいることが当たり前になる。相手の肌に触れても、電気が走らなくなる。もはや「異」性という感じはしない。ある意味、2人はもう家族なのだ。

ところが結婚は、恋人が夫婦になるための儀式である。
なので結婚について考えるときは、どうしても恋人だった頃を思い出す。

(あのころのトキメキ、タメライ、ヨロコビはどこに消えたのだろう?
 かつての恋人だった男は、すっかり亭主になってしまった。
 あるいは私も、すでに?
 結婚することで、私はオンナを失ってしまうのかもしれない……)

そんな状態で昔の男と出会ってしまったら、そりゃあ、イチコロさ

「伊助ちゃんよ、おれは間違っていたか?」
深夜のカラオケで、Kはビール片手に問いかけてきた。
「いやぁ……」
あいまいに答えるしかない。

慎重すぎたのかなぁ
 結婚前に、結婚生活を予行演習しておきたかったんだ。
 この同棲期間を経て、おれは確信できるようになった。
 Y子となら、やっていけると。
 こんなことなら、とっとと結婚しておけばよかったのか。
 2年前は、あいつの方が……。
 もし結婚していたら……。」
「いやぁ……」
「くそぉ……」
「いやぁ……」

カラオケの曲がスタートした。
Kはマイクをとって、大声で歌い始めた。

「もう恋なんてしないなんてぇ~ 言わないよ、絶対~♪」

私は早く帰りたかった。
1996年の話だ。

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