[日記2005年12月10日(土)に思った経済のこと

説明してください

更新日:2009年03月22日(日) 01:55 [Edit]
説明してください

──中学のころの話だ。
夕暮れの職員室で、私は先生に詰め寄っていた。テーマは、校則についてだ。

私は校則に疑問を抱いていた。
具体的には帽子のことだ。帽子をかぶるのがイヤだったのだ

私の中学では、登下校中は帽子の着用が義務づけられていた。かぶってないところを見つかると、こっぴどく叱られた。朝に怒られ、放課後に怒られ、私の憤懣は高まっていった。
「校則を守れ!」としか言わない先生たちも大嫌いだった

私は友だちを集め、議論し、賛同を得た。
で、生徒代表として直談判することになった。

「どうして帽子をかぶる校則があるのか、説明してください!」

鼻息荒く迫る私に、生徒指導の先生(国語)はこう言った。

「その方が、生徒を守れるからだよ。
 帽子をかぶらない生徒は、非行に走りやすい。また、そういうグループから仲間と思われ、事件に巻き込まれやすくなる。
 帽子をかぶって、胸ボタンを締めて、白い靴下を吐く。
 それだけで、多くの誤解や衝突を防ぐことができるんだ。」

私は食い下がったが、役者がちがった。

「そりゃ、例外もあるだろう。
 身だしなみが乱れていても、立派な業績を残した人物もいる。
 だけど、多くはそうじゃない。
 例外を作れば、みんながラクな方に流れてしまう。
 結果、学校全体の風紀が乱れて、みんなが困ることになる。

 それに先生たちも、生徒をずっと見ているわけじゃない。
 その子が本当に駄目になるのかどうか、根っこの部分はわからない。
 だから、表面的な兆候が出た時点で注意するんだ。
 それが身だしなみなんだ。

 これは経験則だ
 なので証明できない。統計データもない。
 逆に、伊助だって証明できないだろう?
 帽子をかぶらないと、みんなが幸せになるのかい?」

私は納得して、教室に戻った。で、みんなに説明したのだが、
「なんだよ!
 先生に丸め込まれただけジャンか!」

と怒られてしまった。

結局、なにが変わったわけではない。
友だちとは、すぐ仲直りできた。
私は依然として帽子をかぶらず、何度も叱られた。

いま思うと、先生の説明はちょっとズルい。
だけど、きちんと答えてくれたことは嬉しかった。
「ルールはルールだ!」と切り捨てられなかったおかげで、私はなにかを掴めたように思う。