日記  2006年02月15日(水) に思った 生活 のこと

N氏のマイホーム

N氏のマイホーム

2000年に、N氏は家を買った。

ショックだった。N氏だけは家を買わないと思っていたからだ。
「持ち家は資産じゃないよね~。」
「家を買うなんて信じられないよね~」
といった話で盛り上がっていたのに信じられない。

まぁ、それなりの事情があったらしいが、どうでもいい。
N氏は裏切ったのだ。私はN氏に詰問した。
「なんで? どうして? あれほど家は買わないと誓い合ったのに!」
運命は人を変えるのか、N氏はすっかり“持ち家派”に鞍替えしていた。

「ねぇ、ヒラさん。理想の家なんてないんだよ。」
「は?」
「知ってる?
 家は3回買わなければ、本当によい家には住めないらしいよ。
 最初の1回で、最高の家を買えるわけがない。
 2回目でも無理。
 3回目で、本当に住みたかった家がわかるんだってさ。
 それはもしかしたら、1回目に買った家かもしれない。
 だけど、そこが理想の家だとわかるには、経験が必要なんだよ。」
「……つまり?」
「つまり、ヒラさんは0(ゼロ)で、ぼくは1(イチ)なんだ。」
「ま、ま、待ってくれ! そ、それはおかしいだろ?」

N氏はさらにつづけた。
理想の相手としか結婚しない、という人は結婚できるかな?
「え?」
「自分の好みをパーフェクトに具現化した女性と、パーフェクトに出会えるかな?」
「い、いないよ。理想の相手なんか存在しない。」
「ヒラさんはね、理想の家じゃないと買わないって、言ってるんだよ。」
「ま、ま、待ってくれ!」
なんだか自分が駄目な人間に思えてきた。

このあいだまでは同じ“賃貸派”だったのに……。
家を買うと、人が変わってしまうのだろうか?
お、恐ろしい。

この会話の中で、私は気がついた。
私はまだ「本当に住みたい家」がわかっていない。そんな状態で家を買うのは流儀に反する。まずは、自分がどんな家に住みたいか、どんな人生を歩みたいかを考えることにした。

死ぬまえに答えがわかるといいな。

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