日記  2006年03月07日(火) に思った 哲学 のこと

正常性バイアス

正常性バイアス

また心理学の話で恐縮だが、「正常性バイアス」という言葉がある。

たとえば、数十年に1度、川が氾濫する村があるとしよう。
村人たちは、川の水位があがるとサイレンが鳴るシステムを導入した。ところが、雨が降るたびにサイレンが鳴ってしまう。センサーが敏感すぎるのではなくて、本当にそれだけピンチなのだ。堤防は、いつ決壊してもおかしくないほど脆かったのである。

しかし堤防を修復する金はない。
なので村人はサイレンが鳴るたびに避難していたが、やがて馴れてしまい、反応しなくなった。

そんな村に、旅人がやってきた。
宿で一泊していると、サイレンが鳴り出してびっくりする。村人に尋ねるが「あぁ、いつものことです」と取り合ってくれない
不安になって川を見に行くと、すごい水位だ。
(旅人の目には)今にも決壊しそうに見える。

旅人は村を駆け回って危険を知らせるが、だれも相手にしてくれない。
ある家では、サイレンにおびえる子どもを、親が叱っていた。
「気にしちゃ駄目よ。大丈夫だから。」

そんな馬鹿な! なぜ子どもの直感を信じない?
この村はもうすぐ水没する……んじゃないの?
……あれ? もしかして……大丈夫なの?

──サイレンが鳴りつづけている。

異常な事態がつづくと、人は緊張を維持できなくなり、「これが正常なんだ」と思い込むようになる。
これを、「正常性バイアス(normalcy bias)」という。

正常性バイアスがかかると、目に見える危険にも反応できなくなる。
(これは現実ではない。こんなことが起こるはずがない……)
思い込み(bias)が、判断を阻害してしまうのだ。
知性や教養は関係ない。

さて、旅人はどうしたでしょうか?

  1. 夜が明ける前に、荷物も投げ出して村を出た。
  2. 夜が明けてから、荷物をまとめ、ゆっくり村を去った
  3. 村人たちを説得して、村全体を救った
  4. 今でもその村に住んでいる

あなたならどうする、ではない。
いま、あなたがどうしているかをを考えてみてほしい。

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