日記  2008年04月16日(水) に思った 娯楽 のこと

その痛みの中にこそ喜びがある

その痛みの中にこそ喜びがある

 友人Aは、大量の娯楽を消費する。

 ここでいう娯楽とはDVDやゲーム、マンガのこと。
 Aの守備範囲は広く、アクション、SF、ロボット、ファンタジー、美少女、推理、ギャグ、恋愛、ドキュメンタリー、歴史、科学、官能、前衛芸術……なんでもござれだ。だから、つねに金がない。衣食住より娯楽を優先する人生を送っている。

 そんなAが○×で娯楽を収集しはじめたのも、自然な流れだった。今はあらゆる娯楽がデータ化され、ネットを飛び交っている。探せばなんでも手に入る。無料だし、データだから場所もとらない。彼のPCは四六時中、ダウンロードしつづけた。

 しばらくぶりにAと会った。
 さぞや大量の娯楽を手に入れ、家計も安定しただろうと思っていたが、さにあらず、ダウンロードはやめてしまったと言う。やはりセキュリティーが不安なのかと訊ねたら、Aは首を振った。

「労せず手に入れた娯楽では楽しめない」とAは言う。
 無料だと、欲しいものと欲しくないものが混ざって、すべての価値が減る。場所をとらないから、取捨選択もしない。観ることより、集めることが趣味になってしまう。ひきかえ、自分の金で買った娯楽はすべてが本気だ。本気で選んで、本気で観て、本気で喜び、本気で落ち込む。失うものは多いが、その痛みの中にこそ喜びがあるというわけだ。

 Aは今日も身を削って娯楽を買いあさっている。私にはまねできないし、したくもない。

 そのくせどこか、うらやましく思ってしまうのだった。

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