日記  2008年10月16日(木) に思った 娯楽 のこと

好きな作家 - ロッド・サーリング

好きな作家 - ロッド・サーリング

中学生のころ、深夜番組で『ミステリーゾーン』を見た。

あのときの衝撃は忘れられない。
原題は『トワイライトゾーン(The Twilight Zone)』といって、1960年代を代表するSFテレビドラマシリーズ。当時はビデオデッキも、自分専用のテレビもなかったので、深夜2時になると寝静まった居間に降りていき、こっそり1人で鑑賞していた。あの雰囲気がすでに怖かった。

テレビ放映が終わると、図書館でノベライズを読んで、ふたたびショックを受けた。
前書きで、ドラマに顔を出していたホスト役の男性こそが、シリーズの生みの親であるロッド・サーリングであると知る。サーリングは『トワイライトゾーン』の企画、脚本、製作、ナレーション、ホスト、ノベライズの1人6役を果たしていた。すごい人だ。

しかし後書きで、サーリングが50歳の若さで亡くなっていることも知る。1975年没。あのときの空虚さを、なんと表現すればいいのか。
私が気づいたとき、すでにトワイライトゾーンの扉は閉じていたのだ。

『トワイライトゾーン』はどんな作品ですか?
と訊かれてもうまく説明できない。SFに分類されるが、世界(設定)より物語が優先されるところは童話に近い。宇宙人や発明品などは、物語を動かすためのギミックに過ぎない。

タモリがホスト役を務める『世にも奇妙な物語』は、サーリングがホスト役を務めた『トワイライトゾーン』の焼き直しである。おおむね似ているが、『トワイライトゾーン』の方が怖い。
あの怖さはなんだろう?
私はトワイライトゾーンに、絶対的なものを感じている。それは自然への畏怖に近い。

ほどなく私は、『トワイライトゾーン』のような作品を書きたいと思うようになった。
それで何本か書いてみたが、自分の器量のなさを思い知らされる結果となった。サーリングが大自然を描いたとすれば、私のは紙粘土の箱庭だ。陳腐すぎる。

サーリングは、戦争や差別に対する批判を物語に織り込んでいた。1960年代当時はおおっぴらに社会批判はできなかったので、宇宙人や怪物の姿を借りて表現したわけだ。
しかし私に社会的なテーマはないし、またそれを規制する風潮もない。言いたいことが自由に言える社会にトワイライトゾーンは必要ないのだろうか。

そこで私は、現代のトワイライトゾーンを探すことにした。
豊かで、便利で、自由な社会においても、ハッキリさせにくい領域があるだろう。それは宇宙人や怪物に、人間性を見つけ出すことかもしれない。あるいはその逆か。

そんなこんなで、ショートショートがはじまった次第である。

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