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[日記2009年05月16日(土)に思った娯楽のこと

おれが出会った強者たち(3/3) 鮫ちゃん

おれが出会った強者たち(3/3) 鮫ちゃん

鮫ちゃん(本名は知らない)は、勝つために手段を選ばない男だ。

ワールドや竜巻仙人は、むき出しの個性で戦っている。キャラも戦い方も、いつも同じ。ひきかえ鮫ちゃんは、ゲームの仕様を研究して、最適なキャラ、最適な戦い方をセレクトしてくる。「好きなキャラで勝つのが好き」ではなく「勝てるキャラで勝つのが好き」なのだ。

もっとも研究されたのは、エドモンド本田。その凶悪さは比類するものがない。どこをどう攻めても返される。待つことも、逃げることも許されない。ドスコイ(エイッ)、ドスコイ(エイッ)と、ていねいに処理されて終了。あまりにも一方的で、ちっとも楽しくない。それもそのはず、鮫ちゃんは反撃のすきを与えず、一方的に勝つパターンを徹底研究しているのだから。
うんざりした私は、となりの筐体に移動する。すると、ふたたび本田が乱入! 横を見ると、私に勝った本田が放置されている。対戦台の向こうで、鮫ちゃんも席を移動しているのだ。うぎゃー。私のようなビギナーを、わざわざ追いかける価値もなかろう。鮫ちゃんにとっては、誰に対しても勝つのは楽しいらしい。勝利の味ジャンキーだ

「勝つために手段を選ばない男」と形容すると、卑怯者のようなイメージがあるが、そうではない。バグ技ばかり使う卑怯者は、安易に勝ちたいだけで、ゲームを研究することはない。勝つためなら際限なく手間をかけられる男。それが鮫ちゃんだった。
勝ちが、投資による成果だとしたら、鮫ちゃんとは競いたくないね。

そして、そこまで時間を投資されるゲームも称賛されるべきだろう。(ヘタレの私が言うのもアレだが)『スパIIX』を頂点とする当時の対戦格闘ゲームは、手間をかけるだけの奥深さがあった。どうすれば勝てるか? どう勝ちたいか? どんな自分を見せたいか? みんなが考え、工夫して、その成果を発表する。

当時のゲーセンは、「表現の場」だった

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