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[日記2009年07月10日(金)に思った科技のこと

ルイセンコ論争と現代

ルイセンコ論争と現代

ルイセンコ論争は、客観的に検証されるべき科学が、主観的な政治に利用されてしまった歴史的事例。

ルイセンコ論争
1934年、旧ソ連の生化学者ルイセンコは、低温処理によって春まき小麦が秋まきに、秋まき小麦が春まきに変わることを発見し、「後天的な獲得形質が遺伝する」と結論づけた(注:実験と結論を結びつける検証はない)。
ルイセンコの学説は現代の遺伝学、進化論では否定されているが、当時はちがった。強大な権力をもつスターリンが支持したのである。
「生まれは劣っていても、がんばって能力を高めれば、子に遺伝する」「がんばれば必ず報われる」という理論は、共産主義国家に都合がいい。よってスターリン政権は、メンデル遺伝学を「ブルジョア理論」として否定するキャンペーンを展開した。ルイセンコの学説に異を唱える科学者は処刑されたり、強制収容所に送られた。そしてルイセンコの提唱する農法(ヤロビ農法)が各地に広められた。中国でも毛沢東が大躍進政策に採用した。

しかし、ルイセンコの学説は間違っていた。
そのため、ヤロビ農法を採用した地域の収穫は激減し、数多くの餓死者が出た。しかしそれでも、国家が支持するルイセンコ学説を検証することはできなかった。結果、ソ連の農業生産は深刻なダメージを受けた。

科学は検証によって探求するものであり、政治が介入すべきではない。
ルイセンコ論争は、そのことを教えてくれる代表的な出来事である。

「人と人は、きっとわかり合える」
「わかり合うため、互いに努力すべき」
「私は、あなたをわかるために努力している」
「私の気持ちをわかってもらえないのは、あなたの努力が足りていないせいだ」

当時のソ連も、こんな感じだったのかなぁ。

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