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[日記2009年08月10日(月)に思った社会のこと

地下鉄のセミ

地下鉄のセミ

地下鉄に乗っていたら、ジジジジジジーッと大きな音が鳴りだした。

なにかと思ったら、子どもが生きたセミを車内に持ち込んでいた。
手で隠しているけど、音は漏れまくり。至近距離で聞くセミの鳴き声は、痛いほどうるさい。ドアが閉まり、セミを乗せたまま電車は走り出した。

子どもは1人ではなく、母親と一緒だった。しかし母親は、子どもを叱るそぶりもない。子どもだけなら、私が「やかましい!」と叱ることもできるが、母親がいると厄介だ。
「あなたになんの関係があるんです?」
と言われても不愉快だし、そうなる可能性は高い。

私はとなりの車輌に移った。
となりの車輌の客たちも、ドア越しに聞こえてくるジジジジジジーッという音を訝しんでいた。

セミが鳴く車輌に残った客は6名くらい。今は少ないが、都心に近づけば人も増えていく。うっかりセミが逃げたりしたら大変だ。面倒には巻き込まれたくない。
iPhoneのボリュームを上げて、SF小説に集中していると、私が降りる駅が来た。
親子がどうなったかは知らない。

あと20年もすれば、あの子が親になるのか。
地下鉄にセミを持ち込むとみんなが迷惑することもわからない母親に育てられた子は、どんな親になるのだろう? そのころ私は60歳くらいか。
不愉快な未来でないといいのだが......。

追伸

ちなみに、そのとき読んでいたSF小説は、ジョー・ホールドマンの『終わりなき戦い』。
ウラシマ効果によって、数十年、数百年後の未来に放り出される主人公。地球はどんどん豊かになるんだけど、モラルが変質し、人間らしさを失っていく......という章を読んでいました。

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