日記  2009年10月19日(月) に思った 科技 のこと

キンドル日本上陸 / 電子ブックがもたらす変化

キンドル日本上陸 / 電子ブックがもたらす変化

アマゾン・キンドルが、ついに日本に上陸した。

アマゾン・キンドル(Amazon Kindle)は電子ブックリーダー。通信機能があり、PCを経由せず、路上でも電子書籍や新聞をダウンロードできる。またキー入力で検索したり、メモをとることも可能。価格は259ドル(約2万3,000円)、現時点では日本語に対応していない
今はまだ、新しもの好きの玩具でしかないが、iPodのように爆発的に売れるのではないかと予想している。もちろん、『キンドル』という商品がヒットするとは限らない。同じく電子ブックリーダーの『シグマブック』や『LIBRIe』は生産終了している。『キンドレ』は白黒表示だし、まだサイズが大きい。しかし技術的問題はいずれ解決される。iPodの進化が、それを物語っている。

想像してみよう──
理想的な電子ブックリーダーがあれば、何千冊の小説、雑誌、新聞、辞書、論文、漫画を買っても、部屋が狭くならない。コーヒーをこぼして汚すことも、古くなって捨てることもない。すべてを持ち歩いて、いつでも読める。友だちの自分の本を、すぐ見せることができる。紙とちがって検索できるし、メモしても汚れない。印刷ミスや間違った箇所があれば、アップデートで修正される。
いま現在も携帯で文章を読んでいる人は多いので、そう突飛な未来像じゃないだろう。電子ブックがもたらす変化は、それだけじゃない。

マイナーな本を出版できる

出版社は在庫や返品をなくすため、売り上げを予測しづらい本は作りたがらない。印刷や流通にかかるコストが、冒険的な企画を萎縮させている。しかし電子ブックなら安価に出版できるし、在庫や劣化にも悩まされない。より自由に出版できる。

本屋の存在意義が変わる

本屋の店頭スペースには物理的限度があるため、たくさん売れる本のみを仕入れてきた。そのため本屋のラインナップは、どこも均一化されている。しかし電子ブックが普及すれば、こうした制約は無意味になる。本屋は、どこでも手に入る本を置く意味はなくなり、電子化されていない珍しい本やアイテムを置く場所として整理されるだろう。

ユーザーの要望に応える企画

電子ブックによって、出版社はより正確なマーケティング情報を得られるあろう。誰が買ったかだけでなく、その本がいつ、どこで、どのくらい読まれたかもわかる。こうしたデータが商品企画に、どのような変化をもたらすかはわからない。ただ「一冊の本」という枠組みはなくなり、「継続的な情報提供」にシフトしていくだろう。

出版ペースは落ちる?

その一方で、新しい本を求める機運は減るかもしれない。たとえば雑誌は、たくさん印刷され、たくさん廃棄されていく。長く保存できないことが、最新号のニーズを支えている。しかし電子ブックでアーカイブ化されれば、最新号へのニーズは落ちる。
世の中にはすでに膨大な数の娯楽作品があるのだから、きちんと流通させれば、つねに新しいものを求める必要はない。現在も、ブログを書籍化する風潮があるけど、電子ブックはプロとアマの境界をますます曖昧にするだろう。

この変化は必ず起こる。その壁となっているのはハードウェアではなく、電子ブックのフォーマットにあると思う。Webページでは、文書の構造(HTML)と体裁(CSS)の分離が進められているが、本の版下作成と電子書籍をつなぐフォーマットは未整備だ。印刷して目で読めればいい版下作成を、検索や音声読み上げ、関連づけ、あるいは閲覧制限に対応させるのは容易ではない。また、無限に複製できる電子ブックを前提にした著作権管理もはじまったばかり。Googleブックの論議を見てわかるように、道のりは険しい。

だがしかし、本から電子ブックへの変化は必ず起こる。
その変化を予測し、うまく対応したい。

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