日記  2009年12月12日(土) に思った 娯楽 のこと

[特撮] ディケイド完結編 / 裏切りの裏切り

[特撮] ディケイド完結編 / 裏切りの裏切り

『仮面ライダーディケイド完結編』の感想を書いてみる。

テレビの最終回はひどかった。ラスト10分で物語の根本がひっくり返り、謎もドラマも放り投げて終了。その直後に劇場版のCMが流される。「本当の最終回を見たければ、カネを払え」というわけだ。
前代未聞の最終回に、視聴から苦情が殺到。新聞でも報じられ、BPO(放送倫理・番組向上機構(BPO)が審議する騒ぎになった。

露骨な商売意識を嫌悪した私は、絶対に劇場に行かないと決めた。
しかしディケイド再放送で何度もCMを見せられ、しかも『仮面ライダーダブル』の秘密も明かされると知って、見たい欲求が高まってきた。悩みもだえる私を見かねて、嫁がこっそり試写会に応募、これが見事に当選した
こうして私は、自分の信念を曲げずに映画を見ることができたわけだ。

では、内容はどうだったのか? ただの劇場版や、ただの最終回じゃない。これだけ大がかりな仕掛けをうったのだから、ちんけな内容じゃ満足できないぜ。
私が注目していたポイントは3つ。

  • 夏美はなぜ、ライダー大戦の夢を見るのか?
  • 鳴滝はなにを恐れていたのか?
  • 士がナマコを食べられなかったのは、いつのこと?

(以下、ネタバレ)

しかし……謎は明かされなかった。

そもそもテレビシリーズ最終回と劇場版がつながってない。キバーラによって蘇生したユウスケも、ディエンドが唐突に銃口を向けた理由も、まるで描かれてない。
長い物語の一部を切り取っただけで、前後は不明なまま。むしろ謎が増えている。

  • キバーラの真意は?
  • 夏美はファンガイアじゃないのに、なんで変身できるの?
  • 紅渡(と仲間たち)の正体は?
  • 滅びる寸前で止まっていた夏美の世界はどうなった?
  • 鳴滝の正体がゾル大佐なら、どうして大ショッカーを敵視していたの?

あるいは、劇場版はテレビシリーズによく似た「別の世界」かもしれない。リ・イマジネーションってやつか?
それなら納得できる……わけないじゃんッ!!!

おもしろかった点も多い。
本気になったディケイド(激情態)は強烈だった。空中をホーミングするファイナルアタックライド。敵ライダーを強制的にファイナルフォームライド。アルティメット・ゴウラムの特攻でも傷ひとつ付かない。
なんというチートキャラ。こんなに強いライダーは見たことがない。

昭和ライダーからの引用もうまい。
「イカでビール」の掛け声で変身って、逆パターンだね。服装の乱れを細かくチェックするゾル大佐は、昔の先生に再会したような懐かしさ。タックル決死のウルトラサイクロンも感動的。タックルはライダーに分類されていないので、死んでもカードにならない。なるほどなぁ。

しかし昭和ライダーを知らない嫁は、おもしろさがよくわからなかったようだ。たしかに上記のくすぐりポイントは、30年以上のライダーファンしかわからない。
本作はただの劇場版ではなく、テレビシリーズの延長線上にある。平成ライダーすら全部見てるかどうかわからない子どもたちを劇場に連れてきて、お父さんにも難解なネタを出すのは、いかがなものか。

マニア向けに作っていながら、きちんと謎を明かすというキモを外してしまった。
完結編と銘打ってはいるものの、次のライダー映画にディケイドが乱入しても、ぜんぜん違和感はない。だって、なんも終わってないし、なんも始まってないから。

そういえば、紅渡が言っていた。「これでライダーの物語は永遠になる」と。つまり、完結した作品を再利用することが、ライダー大戦のテーマだったわけだ。まぁ、わかっていたけど、そこまでストレートに言っちゃうとは……。

ディケイドの物語は、そのままテレビ局の物語(都合)である。だから完結しない。客を呼べるかぎり、いつまでも旅はつづく。

わかっていたけど、つまり、そーゆーことなんだよね。
改めて、テレビで秀逸なストーリーを見ることの難しさを思い知った気がする。

余談だが、死神博士と栄次郎が似ている謎は明かされた。テレビでときおり行方不明になっていたのは、そーゆーカラクリだったのか。
だったらゾル大佐も、同じくドーパントかもしれない。強い衝撃を受けて、変身が解けていたしね。つまり鳴滝の正体はまだ明かされていないのだ。

マニアは、こうやって期待をつないでいくんだな。

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