
正月、撮りためておいたNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』を、第5話まで一気に観賞した。
原作は未読
私はまだ『坂の上の雲』を読んでない。親父の本棚に並んでいたので、いつか読もうと思っていたのだが、ページをめくることなく今日に至る。史実や大まかなストーリーは知ってるし、松山の「坂の上の雲ミュージアム」も訪れて、関連資料や名場面のセリフは読んでしまった。なんとも中途半端だ。 せっかくドラマ化されたので、ドラマを見終えたあとで読んでみよう。その方が情景や人物像をイメージしやすいだろうから。偏向はあったか?
NHKスペシャルドラマ、『坂の上の雲』は、NHKの3年におよぶ「プロジェクトJAPAN」の一環として制作された。しかし先行して放送された『JAPANデビュー』は、偏向・捏造があったと強く批判されたので、『坂の上の雲』もそうした傾向──つまり自虐史観──が出るのではと心配していた。しかし私は原作を読んでいないので、なにが省かれ、どう演出されたかはわからないけどね。戦う理由、戦わない理由があいまい
しかし日清戦争のくだりでは、「日本はアジアに迷惑をかけた」という視点が、「そうしなければ日本は列強に呑まれていた」とする視点より強く描かれていたと思う。平和主義の伊藤博文に詰め寄られて、現実主義の陸奥宗光が言い返さないところのは不満。井上馨も、あまり人柄が出ていない。 「日清戦争はいい戦争だった」などと言うつもりはないが、開戦派には開戦派の道理があるわけで、そこを描かないのは片手落ちだ。帝国主義の世界において、武力を背景にした外交を否定する伊藤博文には、猛烈な違和感を覚える。なぜ勝てたのか? なぜ負けたのか?
旅順占領や黄海海戦は、ばっさり省略されてしまった。丁汝昌が自殺に追い込まれた背景(清国の政情)も語られないので、山本五十六が死を悼む理由がシンプルすぎる。うーん。 1つ1つの戦闘をたんねんに描いていたら、大河ドラマ数年分になってしまうから、省略するのはやむをえない。しかし清国が負けた理由を省いちゃうと、日本が薄氷の勝利を掴んだことが伝わらなくなる。ここは『坂の上の雲』のテーマに密接するので、ちゃんと描いてほしかった。 話は逸れるが、現代の中国は、かつての日本のように団結し、勢いがある。そして日本は、かつての清国のように過去の栄光にすがっている。過去から学ぶことは多いと思うよ。もっと秋山好古を!
11月に松山を訪れたとき、「坂の上の雲ミュージアム」では秋山好古の企画展が開催されていた。秋山好古という人物は、知れば知るほどおもしろい。物語の主人公は弟・真之だが、私は秋山好古の大ファンである。 長身で彫りの深い阿部寛はイメージぴったりだが、出番が少ない。いや、全体的なバランスを考えればちょうどいいのだが、大ファンなのでもっと見たい。すでに多くのエピソードが省略されてしまったのは、泣けるよ。しかし、おもしろい
不満はあるが、『坂の上の雲』から目が離せないのも事実。配役もばっちりで、軍神・広瀬武夫(藤本隆宏)、ねずみ公使・小村寿太郎(竹中直人)は当たり役。最新の映像技術によって再現された明治の情景にも圧倒される。この5話をもって第一部は終了。第2部は2010年12月5日からスタートする。1年もあいだが空くのはつらいが、待つしかないね。
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