日記  2010年07月12日(月) に思った 娯楽 のこと

[特撮] ウルトラマン / 正義宇宙人との遭遇

[特撮] ウルトラマン / 正義宇宙人との遭遇

ウルトラマン(全39話)を観賞した。

ウルトラマンを見るのは初めてではないが、39歳の目で見るとがらりと印象が変わる。どのエピソードもセンス・オブ・ワンダーに満ちあふれ、演出や撮影手法も凝っている。子ども向け番組であることは事実だが、大人が見ても楽しめる。というか、本作を楽しめないような大人は、子どもからやり直した方がいいよ

いま、振り返るウルトラマン

『ウルトラマン』が放送されたのは、1966年(昭和41年)。私が生まれる5年前であり、両親が知り合った年だ。大人気を博した『ウルトラQ』につづく、ウルトラシリーズ(空想特撮シリーズ)の第2弾である。
『ウルトラQ』は、『トワイライトゾーン』や『アウターリミッツ』に影響されつつも、怪獣という要素を導入した。しかし主人公3人組がふつうの市民だったため、有効な対策がとれず、カタルシスに欠ける。そこで第2弾では、下記のようなコンセプトが打ち立てられた。

  1. 怪獣や宇宙人によって災害が起こる。
  2. 怪獣退治の専門チーム(科学特捜隊)が調査する。
  3. 正義の宇宙人が決着をつける。

3のアイデアが秀逸すぎる。
SF兵器で人間が怪獣を倒してもいいのに、「正義の宇宙人」を登場させるなんて、よく思いつくなぁ。だって、宇宙人だよ。円谷プロはさんざん宇宙人を敵として描いてきたのに、それを正義のヒーローに据えるなんて! ウルトラマンがなかった時代に、ウルトラマンを夢見た想像力には畏敬の念を禁じ得ない
また「正義の宇宙人」というキーワードは、多くの疑問を投げかける。宇宙人にも正義があるのか? いや地球人に正義はあるのか? 正義とはなにか? 宇宙人と地球人の違いはなにか?
ウルトラマンの作品群は、こうしたテーマを問いかけつづけている。

ワタシハ、M78星雲ノ、宇宙人ダ

今でこそ正義のヒーローというイメージが定着したウルトラマンだが、第1話の時点では怪しい宇宙人でしかなかった。ウルトラマンは怪獣を追って地球に飛来して、ハヤタの乗るビーグル号と衝突してしまう。ウルトラマンは、ハヤタと一心同体になることで、その命を救ったことになっているが、劇中の言動を見るに、単純にハヤタの身体を乗っ取っただけに思える。実際、ハヤタにはウルトラマンだったころの記憶がないので、これを一心同体と呼ぶのはおかしい。


※ウルトラマン第1話「ウルトラ作戦第一号」:6:40あたりの会話は夢に出る不気味さ

ウルトラマンには、地球を守る義務も責任もない。しかしハヤタと同化したことで、ウルトラマンも人間のメンタリティに影響されてしまったようだ。ハヤタと合体後のウルトラマンは、それ以前とは別人になっているのだが、このあたり、きちんと描かれておらず、やきもきする。ウルトラマンのメンタリティは議論の的になった。

イデ隊員に注目

科学特捜隊のメンバーは個性派ぞろいだが、なかでもイデ隊員が興味深い。おっちょこちょいのコメディ要員なのに、理知的な科学者で、繊細な心も持ち合わせている。怪獣に同情するのは、いつもイデ隊員だ。そのくせ、怪獣をやっつける武器を日夜こさえている。そうした矛盾は、第37話「小さな英雄」に結実する。アテレコ映画、『甦れ!ウルトラマン』と併せてみると、さらにおもしろい。
イデ隊員は、ハヤタ以上に子どもの夢(気持ち)を体現しているかもしれない。

怪獣は災害だった

ウルトラマンの怪獣は災害であって、善悪を問うものではない。たとえ1人の犠牲者が出ていなくても、見つけ次第やっつける。逆に怪獣の方も、人間のことを意に介さない。ある意味、怪獣は神のようなものだった。
ところが話数が進むと、人間が怪獣を呼び寄せたり、人間が怪獣になってしまうので、善悪を問わざるを得なくなる。ウルトラマンと科学特捜隊は、悪くない怪獣を見逃すようにするのだが、その一方で、明らかに人間に敵意をもった怪獣も出現する。
見つけ次第やっつけるべきか、相手の出方をうかがうべきか?
怪獣との接し方が少しずつ変化して、おもしろくなったところで最終回。制作が追いつかなくなったせいだが、もったいない。このあたりのテーマは、第3弾の『ウルトラセブン』に継承される。

エピソードリスト

ストーリーは覚えていても、見直すと新たな発見が多い。くだらないエピソードが意味深長だったり、子どものころに興奮したエピソードが稚拙だったり。お気に入りに★マークをつけたが、もう1度見直したら印象が変わるかもしれない。万華鏡のような作品だ。

  • 01. ★ウルトラ作戦第一号 ... 正義の宇宙人に身体を乗っ取られる恐怖!
  • 02. ★侵略者を撃て ... 神出鬼没のバルタン星人。数億の同胞が一撃で虐殺された?
  • 03. ★科特隊出撃せよ ... 怪獣は災害であり、その善悪は問われないのだ。
  • 04. 大爆発五秒前 ... 原爆をつけた怪獣が踊ってる!
  • 05. ミロガンダの秘密 ... なにがどうなったのか、よくわかりません。
  • 06. 沿岸警備命令 ... カラータイマーの説明があったが、要領を得ない。
  • 07. ★バラージの青い石 ... 異世界! ガイジン! ウルトラマンの先祖!
  • 08. 怪獣無法地帯 ... ピグモン、顔はこわいが、妙にかわいい。
  • 09. 電光石火作戦 ... ハヤタは相変わらずだ。
  • 10. 謎の恐竜基地 ... 博士、怖いよ! えりまき怪獣とは、石投げ対決だ。
  • 11. 宇宙から来た暴れん坊 ... ウルトラQのようなエピソード。ギャンゴのデザインがいかす。
  • 12. ミイラの叫び ... バリアマシン、かっこいい! 死に様があわれ。死んだって感じ。
  • 13. オイルSOS ... 本気のパニック映画。背後から攻撃する。痛い。ウルトラ水流! しょぼ!
  • 14. 真珠貝防衛指令 ... アキちゃんの恨めしい顔が強烈。このとき20歳ですか。
  • 15. 恐怖の宇宙線 ... ラクガキがシュールすぎ。心が真っ暗になった。
  • 16. 科特隊宇宙へ ... ふたたびバルタン。シンプルだが有効な戦術。
  • 17. ★無限へのパスポート ... 崖から飛び降りてゴミ箱へ! ご褒美の隊員服はうらやましい。
  • 18. ★遊星から来た兄弟 ... なんて悪質な野郎だ。ウルトラマンも圧倒される。
  • 19. 悪魔はふたたび ... 混ぜるな危険。ふたたび埋めておくが吉。
  • 20. 恐怖のルート87 ... 交通事故と怪獣と幽霊の組み合わせ。空飛ぶ怪獣に、悪い奴はいない。
  • 21. 噴煙突破せよ ... 怪獣の泣き所をイッパツで! ハヤタ、おまえ無事だったのか。
  • 22. 地上破壊工作 ... いきなりパリへ。ハヤタは無意識に変身できるのか?
  • 23. ★故郷は地球 ... ジャミラが人の名前だったとは。イデの思いが染みる。
  • 24. 海底科学基地 ... フランス少女、かわいい。海底でトランプ遊びも一興か。
  • 25. 怪彗星ツイフォン ... 未来の厄災は、未来の人類がなんとかするだろう。
  • 26. 怪獣殿下 前篇 ... 変身後のウルトラマンがベーターカプセルを落とした。
  • 27. 怪獣殿下 後篇 ... 秘密にもらった隊員バッジが機能するとは。
  • 28. 人間標本5・6 ... 男も女もなく、小さくなったり大きくなったり。
  • 29. 地底への挑戦 ... 金が尽きる前は幸せだったのだろうか。
  • 30. ★まぼろしの雪山 ... なんでもかんでも怪獣呼ばわりして殺してしまう恐ろしい人たち!
  • 31. 来たのは誰だ ... 血をすって身を肥やすのはもはや文明ではない。
  • 32. 果てしなき逆襲 ... ハヤタのインチキ。日本の名物、地震・怪獣・ウルトラマン!
  • 33. ★禁じられた言葉 ... 紳士なのに短期なメフィラス星人、最高!
  • 34. 空の贈り物 ... スプーンをもったら、天に掲げたくなる。
  • 35. ★怪獣墓場 ... シーボーズをロケットに誘導するシーンは必見。メビウスでその後を確認できた。
  • 36. 射つな! アラシ ... ムラマツキャップの厳しさ、優しさに感動する。
  • 37. ★小さな英雄 ... イデの悩みも深いが、怪獣たちが悪意を持ちはじめたことに注目したい。
  • 38. 宇宙船救助命令 ... 舞台は宇宙。キーラとの間合いを計るウルトラマンが印象的。
  • 39. ★さらばウルトラマン ... ウルトラマンは負けたのか? 決定的な説明がない。

また10年くらいしたら、見直してみたい。
ちくしょう。ウルトラマンは、なんでこんなにおもしろいんだ!!


ウルトラの旅

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