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[日記2010年10月20日(水)に思った社会のこと

[報道・教養] 歴史秘話ヒストリア 「大江戸なんだこりゃ!? ハジケて笑える"文化文政時代"」 / 今より貧しくて、今より豊かな江戸末期

[報道・教養] 歴史秘話ヒストリア 「大江戸なんだこりゃ!? ハジケて笑える"文化文政時代"」 / 今より貧しくて、今より豊かな江戸末期

歴史秘話ヒストリア 「大江戸なんだこりゃ!? ハジケて笑える"文化文政時代"」を見た。

文化文政時代(1804-1830)は、ペリーが来航するちょっと手前。100万人以上が暮らす大都市・江戸では絢爛たる町人文化が栄え、奇人変人が横行していた。規律となるべき将軍は大奥に入り浸り、スキャンダルまみれ。
享楽的で退廃的。でもどこか憎めない。だれもが明るく、愉快。そんなハジケタ時代だったらしい。

決して豊かな時代ではない。飢饉もあれば、火事もある。財産を一夜で失うことも珍しくない。だから所有にこだわらず、隣近所で助け合う。気っぷのよさと情の深さ、察しと思いやり、すべてを受け入れる度量を、当時の日本人はもっていたようだ。

そうした気性は幕末・明治にも受け継がれ、日本を訪れた外国人を驚かせた。

この国の人々の飾り気のなさを、私は賛美する。
いたるところに満ちている子どもたちの笑い声を聞き、どこにも悲惨なものを見いだすことができなかったわたしは、西洋の人々が、西洋の重大な悪徳を日本に持ち込もうとしているように思われる。
ヒュースケン(ハリスの通訳 1856-1861駐日)

日本人ほど愉快になりやすい人種はほとんどあるまい。
良いにせよ悪いにせよ、どんな冗談でも笑いこける。
そして子どものように笑い始めたとなると、理由もなく笑い続けるのである。
リンダウ(駐日スイス領事 1861-1862駐日)

日本人は明らかに世の中の苦労をあまり気にしていない。
西洋の群衆にみられる心労にうちひしがれた顔つきなどまったく見られない。
老婆から赤子にいたるまで、にこやかに満ちたりている。
ディクソン(工部大学校講師 1876-1879駐日)

私たちの祖先は、愉快な人々だった。

意外だった。
日本人はいつも自分たちを卑下している。内省的で、足の引っ張り合いが好きで、わがままで、なぁなぁで、面白味がない。それが日本人像だと思い込むのは、あまりに偏狭だった。

200年後の現在──。日本は出口の見えない不況にあえいでいる。しかし不況、不況と言っても、失業率や餓死者が近代史上に突出しているわけじゃない。問題なのは心の貧しさ──「明るさ」や「愉快さ」が失われたことだろう。

江戸東京たてもの園で、江戸の長屋についてガイドさんに説明してもらったことがある。当時の江戸は世界有数の超・過密都市で、押し合いへし合いで住んでいた。
きらいなヤツがいても、距離をとれない。どこかの馬鹿が火元を誤れば、町全体が燃えてしまう。運命共同体。だから怒ったり、許したり、笑いあえる。現在、私たちは運命共同体でなくなった。隣人がどうなろうと、痛くもかゆくもない。

それは幸せなことだと思っていたが、ちがう見方があるかもしれない。

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