日記  2012年04月04日(水) に思った 娯楽 のこと

[ドラマ] 孤独のグルメ / 誰にでも楽しめることじゃない

[ドラマ] 孤独のグルメ / 誰にでも楽しめることじゃない

 録画しておいた「孤独のグルメ」を、まとめて鑑賞した。

 原作ファンだったので、実写ドラマ化の話を聞いたときはイヤな予感しかしなかったが、フタを開けてみれば思いのほか良作だった。ストーリーはすべてオリジナル。訪れる店や料理も実在するものに新調された。それでいて原作の精神が残っている。原作ファンも、初見の人も楽しめる。見事なドラマ化だった。

  井之頭五郎を演じるのは、松重豊さん。現在49歳。最初は戸惑ったが、すぐ慣れた。
 188cmの痩身長躯に、いかつい顔だが、飯をほおばるときの幸せそうな笑顔がたまらない。おまけに柔道の有段者だって。期待したアームロックもちゃんと拝めたし、まちがいなくゴローだった。むしろ、松重さんをモデルに原作が作られたのではないかと思うようになった。

 いまWikipediaを見たら、ゆるーいエンディングテーマを作曲したのは原作者・久住昌之さんだった。この人、多芸多才だね。「ふらっとQUSUMI」は、ドラマ終了後も単独継続できそうな出来映えだった。

 全12話であっさり完結。もっと続けてほしい気もするが、やり過ぎると飲食店の紹介番組になっちゃうから、このくらいがちょうどいいのかもしれない。

平等に与えられた?

 ふと気になったのは、オープニング。

時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、
彼はつかの間自分勝手になり、「自由」になる。
孤独のグルメ――。
それは、誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為だ。
そして、この行為こそが現代人に平等に与えられた、最高の「癒し」といえるのである。

 残念ながら、現代人に***平等に***与えられてはいないだろう。
 多くのサラリーマンは、上司や同僚と連れだって、近所の店で昼飯を済ませている。選択肢は少ないし、周囲への気遣いもある。営業マンなら、あっちこっちの店に入れるだろうが、ゴローのように独りで食べられるかどうか。
 見知らぬ店に入る緊張感や、失敗したときの悔しさ、満たされたときの悦びは、やはり独りでなければ満喫できない。

モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由で なんというか 救われてなきゃダメなんだ 独りで静かで豊かで......

 私はランチメイト症候群で、独りで食事をすることはまずない。しかし、やむなく独りで食事をするときは、言いようのない興奮がある。
 好きな店で、好きなものを、好きなように食べていい──。同伴者の気分をうかがったり、食べるスピードを調節する必要もない。自由だ。これはこれで悪くない。

 「孤独のグルメ」を楽しむ条件は、孤独になれること。
 孤独=悪、と考える現代社会では、孤独を恐れず、孤独を楽しめる人は、あんがい少ないかもしれない。

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