日記  2012年07月08日(日) に思った 娯楽 のこと

[特撮] 電人ザボーガー / シリアスさがたまらない

[特撮] 電人ザボーガー / シリアスさがたまらない

(興味ない人にはどうでもいい日記)

 劇場版を見るため、オリジナルの『電人ザボーガー』を鑑賞した。

 『電人ザボーガー』は1974年に放送された特撮番組。全52話。
 なにを隠そう、ちゃんと見るのは初めて。幼少時の私はチャンネル権がなく、アニメや特撮はぜんぜん見ていなかった。友だちの家にオモチャがあったから、ザボーガーがバイクから変形するロボットだってことは知っていた。番組では、ザボーガーの活躍が見られるだろうと思っていたが、ちがった。
 番組のヒーローは、操縦者である大門豊だった。

ストーリー

 秘密刑事の大門豊は、悪之宮博士が率いるΣ団を倒すため、父が残してくれた犯罪捜査ロボット・ザボーガーとともに戦う。

シリアスな熱血 - 大門豊(だいもん ゆたか)

 大門は熱い男だった。悪を嗅ぎつけると、矢も盾をたまらず飛んでいく。しかし馬鹿じゃない。シリアスに熱血なのだ。
 ザボーガーは、大門に埋め込まれた電極回路に「怒りの電流」が流れることで起動する。つまり大門が怒ってないときは、ザボーガーは動いてくれないのだが、大門はいつも怒っているので大丈夫。ザボーガーは犯罪捜査ロボットだが、起動するときは殺る気まんまんなのだ。
 そして大門は不死身である。拳法の達人という設定だが、Σ団のサイボーグと素手で渡り合える。おまけにタフだ。コンクリート詰めにされても、息を止めてしのいでしまう。常軌を逸したタフネスである。
 主人公が不死身だからといって、物語の緊張感は失われない。Σ団のボス・悪之宮博士の存在感が強烈だからだ。

シリアスな悪 - 悪之宮(あくのみや)博士

 悪之宮博士は、その名のとおり悪いヤツだった。モノを壊すとか、ヒトを殺すだけじゃなく、骨の髄まで悪人なのだ。しかも馬鹿じゃない。シリアスに悪人なのだ。
 悪之宮博士はあの手この手で大門を追い詰める。ザボーガーが強いとわかると、操縦者である大門を狙ったり、命令できないようにしたり、ミサイルで直接破壊するなど、的確な罠を仕掛けてくる。それを大門が突破しても、「まぁ、いい。○×は手に入った」「これでザボーガーの弱点はわかった」など、不敵な態度を崩さない。
 悪之宮博士はまったくブレない。悪いことをする理由はないし、最後の最後で悔い改めることもない。嫁はすっかりファンになってしまった。
 ちなみに序盤は、悪之宮博士が次回予告をしてくれる。悪の首領みずから、次の犯罪をほのめかすのだ。たまらないよ!

シリアスな友情 - 電人ザボーガー

 ザボーガーはロボットだ。しゃべらないし、自分の意志を示すこともない。それでも大門とのあいだに絆を感じる。そこがおもしろい。
 大門はザボーガーを戦わせるとき、たいてい自分もいっしょに戦う。かなり忙しいため、命令はアバウトになる。
「ザボーガー、おまえの怒りをぶつけるんだ!」
「ザボーガー、ファイト!」
 それでも大門の意を汲んで動いてくれるザボーガーが、親しみを感じてしまうのは無理もないだろう。ヘリキャッツやマウスカーもかっこいいけど、ザボーガーの魅力はその立ち振る舞いなのだ。

シリアスじゃない劇場版

 で、2011年の劇場版である。
 37年の技術革新はすごい。ザボーガーのデザインや活躍は本当に素晴らしかった。オリジナルからの引用にも深い愛情が感じられる。しかし、品はなかった。低俗ギャグが、物語のカタルシスを崩している。特撮パートとドラマパートは別の人が監督しているんだろうか? そのくらい落差があった。

 いいところもいっぱいあった。
 青年期と熟年期の2部構成はおもしろい。正義の戦いが悪に利用される展開は珍しくないが、若さを使い切ったあとで気づくのは衝撃的だ。大門とザボーガー、大門と秋月玄の関係を再定義したのも見事。いいところは本当にいい。

 懐古趣味で「昔はよかった」「オリジナルには叶わない」と言いたいわけじゃない。オリジナルも中盤はだれたし、恐竜軍団編はひどかった。たぶん、連続して見たのがよくなかったんだろう。

 往年の特撮番組をリメイクした作品は多いが、大半が失敗している。そうした中で、本作は屈指の出来映えだ。そこは断言できる。
 だけど……シリアスに作ってほしかった。

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