日記  2012年07月15日(日) に思った 娯楽 のこと

アニメの音楽が浪費されていく

アニメの音楽が浪費されていく

 アニメの音楽が浪費されていく現状に戦慄する。

 私はサウンドトラックが好きだ。押井守は、「映画の半分は音である」と言ったそうだが、そのとおりだと思う。私はサントラを聴くことで、物語の興奮、悲しみ、喜び、癒しを脳内再生する。よい映画とよい音楽は不可分なのだ。

 私のようにサントラばかり聴く人は少数だろうと思っていたが、そうでもないらしい。90年代以降、アニメのサントラはどんどん増えていった。
 1つの作品で、何枚もサントラが発売される。しかし物語に必要な曲は多くないから、余分な曲やアレンジが増える。するとCD1枚あたりの満足度は減る。余分なCDを買わされることに、私はいらつき、買い控えるようになった。

音楽の使い方が雑になってきた

 問題は出費だけじゃない。
 たくさんのサウンドトラックを売るために、たくさんの曲が劇中に使われるようになったのだ。結果、その作品のサウンドイメージが定着しなくなっている。
 シーズンが変わるたび、劇場版が出るたび、続編が作られるたび、サウンドトラックが一新される。たとえば、『化物語』で印象的だったサウンドは、『偽物語』に使われない。すると2つの作品の一体感が失われてしまう。

 テーマソングの乱発もひどい。単なるJ-POPをアニメ主題歌として売り込む姿勢も感心しないが、とにかく数が多すぎる。『鋼の錬金術師』の主題歌をすべておぼえているだろうか? 『機動戦士ガンダムOO』では3つの総集編それぞれに新しいテーマソングが付いていた。本編と総集編で、流れる歌がちがっているのはひどい。

 そうそう、『OO』と言えば、マリナ・イスマイール王女が歌う『TOMORROW』がアルバムになったのは驚いた。同じ曲を6パターンですよ。劇中で印象的な使われ方をされたわけでもない。むしろ、むりやり聞かされて印象が悪かった。おそらくCDを売るために、スポンサーが脚本に武力介入したのだろう。やれやれ。

さらにエスカレート

 たくさん作りすぎてCDが売れなくなったのか、2010年代になるとDVDやBlu-rayの特典として封入されるようになった。本編を売るため、サントラも小分けにされる。あるいは小分けにするため、劇中使用曲が増える。どんどん水増しされていく。

 『輪るピングドラム』の場合、全8巻すべてにサントラがついていた。サントラ8枚ですよ。さすがに音楽が尽きたらしく、オーディオドラマで穴埋めしていたが、サントラとオーディオドラマが混ざっていると混乱する。

いい曲が使われずに消えていくのがしのびない

 作曲のことはわからないが、苦労して作った曲がきちんと使われずに消え去っていくのは、悲しいことだと思う。
 いま、アニメの制作予算は厳しいと聞く。だったら、同じ音楽をもっと使いまわすべきだ。作曲家は濃い仕事ができるし、作品のイメージも向上する。CDの売り上げだって増えるんじゃないか?

 売り上げが落ちたから、内容を手抜きして、アイテム数を増やす。コレクター性を高め、抱き合わせを増やし、これでもか、これでもかと売りつける。結果、消費者の心が離れ、ますます売り上げが落ちる。

 アニメの音楽にかぎった話じゃない。雑誌、書籍、漫画、テレビ番組、映画。あらゆるものが、粗製濫造の袋小路におちいっている。
 もったいない。あまりに、もったいない。
 だれか、なんとかしてくれ!

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