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[日記2012年10月20日(土)に思った生活のこと

伯父の役割はなんだろう

伯父の役割はなんだろう

 夏のある日、私が実家を訪れると、甥っ子はクーラーの効いた部屋でiPadゲームをしていた。

 私はショックを受けた。小学生が夏休みに、家にいていいはずがない! しかし話を聞くと、仕方ない状況だった。

少子化、恐るべし

 以前の日記でも述べたが、甥っ子の住むエリア──つまり私が幼少時代を過ごした町は、ぜんぜん子どもがいない。いっしょに登下校してくれる友だちがいないだから、夏休みに遊べないのも当然だった。
 なんてこった。甥っ子は家庭の中だけでなく、町内においてもひとりっ子だった。

 私は第二次ベビーブームの落とし子である。小学1年生はたしか17組まであった。子どもはどこにでもいて、遊び相手に困ることはなかった。夏休みの朝は友だちに起こされ、毎日毎日、飽きもせず遊びほうけていた。
 それゆえ、友だちがいない甥っ子は不憫に思えた。

憐れむわけじゃない

 もちろんそれは、古い世代の勝手な思い込みでしかない。甥っ子は自分を不憫と思っていないから、「不憫だ」という目で見るのは失礼だ。本当に彼を不憫な子にしてしまう。
 逆に、甥っ子には高齢者の友だちが多い。町内のひとりっ子だから、町中の高齢者に見守られ、声をかけられるのだ。それは私の世代にはなかったことだ。

 甥っ子の世代には相応の価値観がある。私がとやかく言う話じゃない。しかしまったく干渉しないことがベストではないだろう。親族だからね。
 人とふれあうシーンについては、母(祖母)と妹(母)が工夫してるから、たまーに訪れる私(伯父)としては、ふだんの生活にない刺激を与えてやりたい。

 てなわけで、伯父さんは帰るたびバトミントンをしたり、餃子を作ったり、自衛隊の演習に連れていったり、足し算競争をしたり、iPadやiMacのゲームを教えたりしている。
 甥っ子とふれあうとき、いろんな注意事項が頭をよぎる。

(......ひとりでできる遊びを教えてやった方がいい......)
(......自分で自分を褒めることができないと、伸びなくなる......)
(......闘争心が要だ......)
(......しかし痛みを知らない闘争心は、残酷な結果をもたらす......)
(......愛情で包むのは簡単だが、痛みを教えるのは難しいな......)

 ま、余計なお世話だろうけどさ。伯父の役割について、つい考えてしまうんだよね。

 余談だが、近ごろの私の伯父がよくメールしてくるようになった。74になる伯父も、甥っ子の私になにかを伝えたいのかもしれない。

余談1

 甥っ子は、「NERF」というオモチャをほしがっていた。NERFはスポンジ製の弾丸を発射する空気銃だ。撃って安心、撃たれて安心なのだが、そんなものでなにが学べるのかと息巻いた。子ども向けのオモチャなんか、くそくらえ。本格的な空気銃を買い与えて、痛みを知るべきだ!
 なんてことを考えたけど、モノを買ってくれる伯父さんになりたくなかったので、やめた。

余談2

 甥っ子が足し算をおぼえたので、トランプ足し算ゲームを教えてやった。暗算力を鍛えるゲームで、漫画『ドラゴン桜』で有名になった。2人で競うことも、1人で練習することもできる。電卓(ケータイ)があるから暗算なんか必要ないと思う人は、自分がどのくらい損しているかもわからないだろう。

 ジョーカーをのぞくトランプ52枚の数の合計は364。めくったカードの数を足していき、合計が364になったら成功。ならなかったら、どこかでまちがえたことになる。
 6歳児には難しいので、1つのスートだけにした。AからKまで13枚の合計は91。しかしこれも難しかったので、絵札をのぞいた10枚で挑戦。合計は55だ。集中力の弱い甥っ子にルールを教えるのは大変だったけど、数があったときの喜びは感じてくれたようだ。

 単なる足し算だが、やってみると意外に難しい。私も52枚(364)に挑戦したが、まちがえてしまった。13枚(91)でも勝率100%にならない。10枚(55)ならまちがえないが、べらぼうに早いわけじゃない。子どもが真剣に取り組んだら、あっさり抜かされるかもしれない。
 私の母も危機感をおぼえ、せっせと練習していた。高齢者にもオススメしたい。

参考 http://allabout.co.jp/gm/gc/50764/

余談3

 甥っ子の手首をつかんで、ぎゅっと力を込めるだけで、甥っ子は恐怖をおぼえる。ここで呪いの言葉を吐けば、子どもなんて簡単に支配できる。  甥っ子は防犯ブザーをもっているが、ピンチのときに紐をひけるだろうか? よからぬ大人なら、子どもから合意の上でブザーを取り上げるなんて造作もない。なんせ大人の社会では、合意の上で権利が奪われているのだから。

 伯父としては、そんな理不尽に対抗する強さを身につけてほしい。「いうことをきく子」ではなく、「だれの話に従うかを自己決定できる子」が望ましい。そのためには痛みを知って、戦って勝つ喜びを知って、ルールのある戦いから、ルールのない戦いに移行して......。

 考え過ぎかもしれないが、考えちゃうね。伯父の役割はなんだろう

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