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[日記2013年05月04日(土)に思った経済のこと

安さの侵略

安さの侵略

 消費者にやさしい企業が、結局、消費者の敵になるって話を聞いた。

 つまり消費者のため、安価で、質のいいものを、スピーディに提供する企業ができると、その地域の経済は衰退するって話だ。以下の事例にソースはないから、うそも混じっているかもしれないが、まぁ、SFだと思って読んでほしい。

物流センターの効率化

 たとえば、Amazon の物流センターができると、町は雇用が生まれると期待する。しかしセンターの仕事は高度に機械化されているため、技能も、経験も、知識も必要ない。そのため、バイトに毛の生えたような給料と待遇になる。

 父親が仕事に自信を持てないと、家庭や社会も不安定になる。また、Amazon の価格に抵抗できなかった商店街はシャッターを下ろすため、そこの従業員も仕事にあぶれるし、Amazon への依存度も高まる。
 Amazon は、消費者のため安価に提供すると言うが、結果として、安価なものしか買えない消費者を増やしている。

ショッピングマートの政治力

 たとえば、ウォルマートができると、町は雇用が生まれると期待するが、やはり仕事はマニュアル化されているため、バイトのような給料と待遇になる。こうした仕事を長年つづけると、もう新しいことをはじめる気力はなくなる。

 そんな住民ばかりになると、さすがのウォルマートも経営が悪化する。しかしウォルマートが撤退すると、失業者が大量発生するため、市長は財政支援する。つまり税金注入だ。ウォルマートの放漫経営が原因じゃないから、議会も承認しやすい。
 市が行き詰まれば州が、そして国が支援する。自動車産業がそうだったから、ありえない話じゃない。

冷凍食品を食べて思ったこと

 冷凍食品のコロッケは安い。ひょっとしたら原材料より安いんじゃないか? どうやっても抵抗できないから、コロッケは家で作らなくなった。こうやって冷凍食品の依存率をあげていくと、家で料理しなくなり、文化が衰退する。

 なんかのドキュメンタリーで見たけど、アメリカの家庭はほとんど料理をせず、外食かテイクアウトで済ませているそうだ。料理はいっしょに食べる人がいないと成立しない。家族が5人いても、みんなバラバラの生活を送っていたら、料理なんて馬鹿らしくなるだろう。
 なのでアメリカでは、大きなキッチンは金持ちのステータスになるそうだ。にわか金持ちは大きなキッチンを作りたがるが、料理をした経験がないから、使いにくいキッチンになるそうだ。

 料理する文化は確実に衰退している。それはコロッケだけでなく、ほかの料理もできなくなったという意味だ。

なにが問題か

 企業が品質を上げ、価格を下げる努力をすることは、たいへん喜ばしい。しかし度を過ぎると、諸費者の選択肢を奪い、経済や文化を衰退させるとしたら、どうすればいのか。
 企業に自主規制を求めるのはお門違いだ。「これ以上のサービスは、あなたを引きこもりにする恐れがあります」なんて警告するはずがない。
 では、政府に規制してもらうか? Amazon によって打撃を受けた商店街に税金を投入して、どれほど未来が拓けるだろう?

 私も近所の電気屋ではなく、Amazon で買い物する。ウォルマート資本になったLIVIN も価格が安いので助かっている。冷凍食品も食べるさ。安さには抗しがたい。

 まぁ、時間と金を浮かせた分、新たな価値を創出できてないことが問題なんだけどね。

 このまま安さの侵略を許すと、私たちの生活は企業に支配されてしまうかもしれない。なんだかSFのような話だが、たぶん、長生きすればそれが見られるだろう。

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