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[日記2013年06月17日(月)に思った経済のこと

ブロックバスター映画の脅威とは

ブロックバスター映画の脅威とは

 今日、「ブロックバスター映画」という言葉をおぼえた。

 ブロックバスターは、 第二次世界大戦時にイギリス空軍が使用した大型爆弾の異名。「街の1ブロックを吹っ飛ばすほどの威力」という意味。転じて、圧倒的な影響力を与えるものをブロックバスターと呼ぶようになった。ブロックバスター映画と言えば、以前は大ヒットした映画を指していたが、最近は莫大な広告費をかけて意図的に大ヒットさせた映画のことを指すらしい。

宣伝すれば売れて、感動しちゃうのか

 映画ファンなら、「ブロックバスター」という言葉を知らずとも、意味するところはわかる。話題になった映画なのに、見てみると、びっくりするほどツマラナイことがある。
(なぜこんなクソ映画が話題になったのか?)
 答えは逆で、宣伝という爆弾で大衆が踊っていたわけだ。悲しいことに、踊らされた人たちは本気で「感動しました!!」とか言って、関連商品も買っちゃうから怖い。

 映画の制作費に限度はあるが、広告費に限度はない。
 制作費が大きいほど売れるわけじゃないが、広告費が大きいほど売れる。
 こうしてテレビは映画の宣伝ばかりになって、タレント声優が起用されるわけだ。

 まぁ、ブロックバスター(巨額の広告費を投入した映画)だから、ツマラナイわけじゃない。宣伝と映画の中身は関係ない。しかしそこを峻別するのは難しい。みんな騒いでいるから、なんとなく楽しい、と感じることも娯楽の1つだからね。

スピルバーグとルーカスが映画業界の崩壊を予言!

英紙ガーディアンによれば、スピルバーグは「業界はブロックバスター映画に頼り過ぎている。2億5000万ドルもの予算を注ぎ込んだ映画が何本か興行的に大失敗すれば、それだけで業界のシステムは崩壊するだろう」と指摘し、「今後、映画のチケットの値段は二極化する。『アイアンマン』シリーズの次回作のチケットは25ドルになり、『リンカーン』のような映画のチケットは恐らく7ドル程度になる」と語ったという。また、ブロックバスター映画以外の作品を劇場公開するのは、ここ5年程で至難の業になっているそうで、第85回アカデミー賞で最多ノミネートを獲得した『リンカーン』でさえ、ドラマとしてテレビ放映される寸前だったという。
http://news.walkerplus.com/article/39349/

 発言の部分引用のため、因果関係がわかりにくい。
 しかしよくよく考えると、けっこう怖い話に思えてきた。

動く金がでかすぎる

 ブロックバスター映画は、莫大な広告費をかけて、莫大な収益をあげるビジネスモデル。リスクが高いから、マーケティングや確率論のプロが投資しているはず。そう、投資だ。ブロックバスターは映画を金融商品として扱っている。計画的に収益を確保するために、映画館を寡占したり、チケット代を操作することはありえるが、それはかまわない。見なければいいだけだから。

 しかし動く金がでかすぎる。2億5000万ドルって、235億円か。これだけ規模が大きいと、興行的な失敗は許されないし、収益を脅かす要素が排除されるのも当然だ。

 たとえば都合が悪いときに、自然発生的な良作が出てきたら?
 あるいは、不都合な映画を撮ろうとするグループがあったら?
 ひょっとしたらすでに、おもしろい映画の芽が摘まれているかもしれない。スピルバーグの作品でさえ劇場公開が難しい時代なのだ。

映画だけじゃない

 近ごろはゲームも制作費が高騰し、べらぼうに売れないと採算が合わないらしい。ゲームの商品寿命は短いから、発売と同時にたくさん買ってもらうため、べらぼうな広告費をかける。すると、損益分岐点が上昇する。ブロックバスターだ。

 ウォルマートなどの小売店もそうだ。たくさん仕入れて、たくさん加工するから、たくさん売らなければならない。もっとも確実な方法は、安売りで地域の商店をつぶして、顧客の選択肢を奪うことだ。

 いろんなものが大きくなっている。選択肢が増えたように見えて、じつは計画されたものを消費しているだけかもしれない。まぁ、それがわかったところで、どうにもならないし、みんなと同じものを消費するのは、それなりに楽しい。
 スピルバーグが言うように、二極化してくれたらいいんだけどなぁ。

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