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アンフェア the movie
これって、わざとB級なんですよね?
「どんでん返し」をねらいすぎてドラマが破綻してるけど、その破綻ぶりを刹那的に楽しむ作品なのだと、中盤あたりで気がついた。そうでなければ、やってられないよ。誰が裏切り者か予想するのも馬鹿らしい。単なるカオス状態だ。
銃撃戦はやたら金をかけているようだが、頭を使ってないね。いろんな映画の要素を混ぜ合わせただけで、状況の根底にリアルさがない。そういえば、感染した隊員はどこ行った? ちょっと寝てしまっていたようだ。
私はTVドラマを見てないが、この映画を完結編と期待していた人は、まさに裏切られてしまったね。『X-Files』と同じだ。
それでもボクはやってない
電車に乗るなら痴漢しよう!
めちゃめちゃ怖い映画だった。怖くて電車に乗れなくなる。逃げ場のない車内で女性が近づいてきたら、どうすればいいのか? どうせ逮捕されるなら、痴漢しておけばヨカッタと思う。痴漢していれば、すんなり有罪を認め、長い苦しみを味わわずに済んだのだから。
私はこれまで「女性専用車」は一種の差別だと思っていた。しかし今はちがう。あれは弱い立場の男性を守る仕組みなのだ。
さくらん
これが・・・若さか・・・
時代考証を考えると噴飯ものだが、ファンタジーと思って割り切った。しかしファンタジーにも世界観は必要で、花魁の生活やポリシーが見えないのはつらかった。この世界の人々は、高貴さも優しさもない、ただ外見が美しいだけの女をもてはやすのだろうか? ついていけないよ。
たった一度の失恋で世界を悟りきってしまうところも若い。というか幼い。中学生かよ。吉原を閉鎖環境と見ればやむなしだが、だとすると足抜けは問題だ。世間を知らない餓鬼がどうやって生きていくのか。そしてこんな映画を撮ってしまった監督の将来はどうなるのか。心配でならない。
ビジュアルと音楽はよかったね。
ALWAYS 続・三丁目の夕日
前後編の映画だったようだ
未解決な部分が多かった1作目をサポートする続編。どうやら前後編あわせて1本の作品だったようだ。いろいろ詰め込んで、しかし切り捨てられず、2部作になってしまったような印象を受ける。
内容について、言うべきことはない。
他人事にやたら首を突っ込んで、熱くなって、励まして、だまされて、励まされて、支え合って…。闇は見せず、ただ光だけを追求する映画があっても、罰は当たらないだろう。
「昔はよかったんだね」と思えないのは、やや残念だが。
ときおり見える戦争の影がおもしろかった。
戦争がまだ遠い過去になっておらず、誰もが少しずつ傷を隠している。光に満ちた本作において、ふとリアリティを感じる演出だった。
キサラギ
密室推理劇の決定版!
D級アイドル自殺の真相を推理する、面識のない5人の男たち。推理力の優れた者などおらず、ただ5人が揃った偶然によって物語は動き出す。関係なさそうな証言がつながっていき、あの晩に起こった出来事が見えてくるのは痛快だった。傍らで進行する男たちのドラマも涙と笑いを誘う。
ラストで、6人目の証言によって推理が瓦解するのも秀逸。たまたま5人が一堂を介した化学反応によって生まれた推理なら、要素を1つ加えるだけで違った解釈もあり得るのか。なるほど、奥が深い。
エンディングで如月ミキの姿を見ることができるが、その微妙さに戸惑う。そして、熱烈なファンコールを送る男たち。その滑稽さを見て、気づく。これは特別な事件ではなかった。特別な点があるとすれば、ひたむきに愛してくれる人が5人もいたことだろう。
ゲゲゲの鬼太郎 (劇場版)
妖怪社会も大変だね
よく作ってある。妖怪のデザインに新しい解釈はなかったけど、実写化された目玉親父やぬり壁を見るのは楽しかった。
内容的に見るべき点はない。
妖怪は気楽と歌っているが、貸し借りがあったり、えん罪があったりと、いろいろ大変そうだ。鬼太郎も主体性がなく、なにをしたいのかよくわからない。
久々に目玉親父の声を聞けてよかった。
それだけの映画だった。
蟲師 (劇場版)
ひどすぎる
意味、わかんないよ。
セリフ、聞き取れないよ。
よく見えないよ。
いつ、誰が、なにを、どうしたんですか?
未編集のラッシュフィルムとしか思えない。
原作がどうのではなく、作品になってない。
バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
フジテレビがバブルなんだな
ホイチョイの漫画で読む分にはおもしろかったけど、役者が演じていると妙に腹が立つ。べつに過去を悔い改めろとは言わないが、なにもかも浮かれていて手がつけられない。まぁ、コメディだし、役者のプロモーション映画だし、とやかく言っても始まらないか。
とにかくフジテレビが金持ちなのはわかった。しかし、こんな泡みたいな映画ばっかり撮ってると、ヤバイことになるぜ。
どろろ
今後に大きく期待
三部作らしいので、ストーリーについては語れない。いま現在、気になっているところがうまくつながってくれることを願うばかりだ。
ビジュアルは素晴らしい。ロケ地はニュージーランドらしいけど、中世日本の雰囲気がいい感じ。妖怪のデザイン、アクションも痛快だし、撮り方もうまい。
役者に目を移すと、どろろ(柴咲コウ)は好演している。子どもじゃないのに、子どものように振る舞うのは違和感があるけど、熱意で押し切ってしまった。一方の百鬼丸(妻夫木聡)は淡泊。醍醐(中井貴一)や多宝丸(瑛太)もそうだが、もうちっと個性が欲しかったかなぁ。
これほどスケールの大きな日本映画は初めてだ。
さて、このあとどうなるんだろう?
THE JAPANESE TRADITION 日本の形
教養番組かと思ってみたら、コメディだった
「日本文化の紹介ビデオ」のふりをしたコメディ。くすりと笑えるシーンもあるけど、絶賛するほどではなく、微妙な出来映え。日常にトボけた解説を加えるのはおもしろい。ただし過剰な演出や、あり得ない風習を描くのは興ざめ。シーンの繰り返しもちょっとウザい。でも、よく作ったなと思う。
お姉ちゃんの誘惑に翻弄される少年を描いた『夏休み』がおもしろかった。
武士の一分
守りたかったのは愛ではなく、自分の名誉だった
前半はゆるいが、後半になって徐々に空気が張りつめていく。静かで、重たい緊張だ。キムタクの抑揚のない演技も、ここに来て存在感を増す。この空気の変化は素晴らしい。
映画を見終えて、「武士の一分」について考えてみる。失明は事故だし、妻を離縁したのも自分自身だ。甘言を弄した上役を憎み、果たし合いを挑む気持ちもわからなくもないが、「武士」は関係ないだろう。
要するに主人公は、たまったストレスを誰かにぶつけたかったがわけで、妻の密通がなければ下男が斬られていたかもしれない。
「武士の一分」を通すことで、主人公は武士になった。その矜持が、これからの人生を支えてくれる。愛する妻と食い扶持だけでは生きてはいけないのが武士なのだ。
そう考えると、「武士の一分」は空しいものだと思った。
TRICK トリック -劇場版2-
さらにスケールダウンしたファンサービス映画
『トリック』は、ドラマとして観る分はいいけど、劇場で観るには物足りない。ネタはしょぼく、盛り上がりもなく、ギャグは寒い上に、予備知識まで必要とする。いったいどんな層をターゲットにしているのやら。
もうちょっとおもしろく作れそうなのに、あえてやってないのか。投げやりな印象さえ受ける。
熱狂的なファンでなければ楽しめない。
そして私は、熱狂的なファンではなかったようだ。
DEATH NOTE デスノート (前編)
実写でやる話じゃないが、再解釈として楽しめる
『東京ゴッドファーザーズ』の反対で、これは実写でやる話じゃない。イケメン役者もCGリュークも、興がそがれること甚だしい。
ただ、脚本のヒネリはおもしろい。原作のプロットをふまえつつ、新しい展開を見せてくれた。これはよかった。
全体的にはチグハグな印象の映画。ある部分に集中すれば傑作だが、ほかは駄作だったりする。
はてさて、後編はどうなるんだろうね。
かもめ食堂
はじまりも終わりもなく、「途中」を描いたストーリー
特殊な状況に、平凡とは言えない人たちが集まって、独特のテンポで、間の抜けた事件を重ねていく。それもまたリアルと思ってみていたが、不条理なシーンが入ったので、ファンタジーに落ち着いてしまったのは、ちょっと残念。
なさそうで、ありそうで、なさそうな話。
なにかが起こりそうで、起こらなそうで、じつは起きていたかもしれない話だった。
花田少年史 幽霊と秘密のトンネル
なにをやりたかったのか……
前半はまだしも、後半の悪霊対決は見るに堪えない。だらけた脚本に半端なCGエフェクト。花田少年はすっかり物語から追い出されている。そうまでしてセーラー服少女の幽霊パワーを見せたかったのか? こんなんで客が喜ぶわけないじゃん。
家族愛、ノスタルジー路線、漁師たちの団結、父母の生き様、悪霊ハンター。
どれも中途半端で、評価できない。
そういえば、嵐の夜に飛び出した爺ちゃんはどうなったの? 婆ちゃんの霊に引っ張られちゃったのかな?
里見八犬伝(TBSテレビスペシャル)
うぎゃー、見てられねぇ!
旧作(1983年:監督/深作欣二)に比べると、ずっとスタイリッシュで、ずっと派手なんだけど、まったく没入できなかった。ストーリーや役者の演技力に大きな差はないのに、なぜだろう? 珠に文字が浮かぶシーンや、八犬士が術を使うシーンなどは、見ていて恥ずかしくなってしまった。
昔はよかった・・・とは思わない。あれはあれ、これはこれのはずだ。特撮ヒーローに熱くなれる私が、なぜこの作品を受け付けないのか・・・自分でも不思議に思う。
UDON
盛りだくさんで、のびちゃった
全体的に詰め込みすぎ。後半のだるさが目立つが、前半も無駄なシーンは多い。予算が余って、妙なサービス精神が発揮されたように見える。1つ1つのシーンはおもしろいのに、つなげてみると間延びするのはもったいない。
劇中でも言われているとおり、うどんは特別な食べ物ではない。なので味は言及せず、「うどん巡礼」というレジャーを楽しんできた。それはそれでいいけど、後半の「父のうどん再現」と価値観が衝突してしまった。これも詰め込みすぎの弊害だ。
全12話くらいのTVドラマだったら、気にならなかったと思う。
結局、とても都合がいい話であって、あまり感動するものではない。ただ香川(讃岐)の情景は美しく、うどん巡礼をしてみたくなった。
明日の記憶
怖くて、切なくて、それでも望みを見いだせる
シーンが飛んだり、妄想と現実の区別がつかなくなる後半が恐ろしい。
師匠は本当にいたのだろうか? もし師匠がマボロシだったなら、冒頭で寄り添っていた妻もマボロシかもしれない。空白の日記、たくさんの写真、残された湯飲み、そこにいるのは誰かを気にすることもできない主人公。すべては黄昏に染まる。
見終えたあとにもう1度オープニングを見ると、形容しがたい感動に圧倒される。不自然な逆回しCGも、むしろ効果的な演出だった。この映画は2度楽しめる。
愛情ですべてを克服できるわけじゃない。
しかしそれでも、愛情だけが痛みを和らげてくれる。
いろんなことを考えさせられる、とても意義深い映画だった。
笑う大天使〈ミカエル〉
愛がないなら、映画化すんな!
リアルタイムで原作を読んでいたので、実写映画化の話を聞いたときは「?」マークがいっぱい立った。さぞや思い入れのある人が関係しているのだろうな。大ヒットは無理でも、カルト人気は出るかもと期待していたが・・・駄目だった。
マンガを映画化すれば、そりゃ違和感もあるだろう。路線変更もあるだろう。しかし今さら映画化するのだから、その意義を問いたい。この内容ならオリジナルでよかったじゃん。なつかしいタイトルでファンを呼び寄せて、なにを見せたかったのか?
ラストで「登場人物たちのその後」はカットされたたのは、個人的に最大のショック。史緒と一臣がどう暮らしたかは、本作のイメージを左右するところなのに・・・。
映画を見る前の、ほんのり期待していた時期が、もっとも幸せだった。
LIMIT OF LOVE 海猿
ラブいらないよ、ラブやめて〜
救出活動はかっこいい。問答無用で興奮するね。
しかし仙崎はかっこよすぎ。おっちょこちょい吉岡に先輩風ふかすところも気に入らない。正義超人すぎてシラける。
それと前作以上に、ラブ要素がうざい。
稼働中に管制室に恋人が入ってくるのも、だらけた公開プロポーズもあり得ない。緊張感が台無し。
ラブ要素がなかったら傑作だったのに、惜しい。
県庁の星
なかなかドラマチックでよかった
織田裕二はこういうクセのある男を演じるのが似合っているね。頭ガチガチ出世亡者の県庁さんは、じつにハマリ役だった。しかし中盤の失意を克服してからは、いつものスーパー好青年に戻ってしまう。いくら県庁さんが有能でも、現場のマネジメントは無理だと思うのだが・・・まぁ、物語だからいいのか。
それにつけても人格豹変はすさまじい。
知事に向かって演説するシーンは、もはや前半と同一人物とは思えなかった。いくらなんでもヤリスギだ。このあたりで一気に冷めてしまった。
このままスーパーマンで終わるのかと思いきや、県庁改革がきわめて小さな変化しかもたらさなかったところは(ホントは好ましくないが)共感できた。それは絶望でもあり、希望でもある。ステレオタイプの展開が目立つ中で、このヒネリはおもしろかった。
サイレン ~FORBIDDEN SIREN~
換骨奪胎したけど大失敗
怖がらせようと演出しすぎたのか、構成がボロボロ。
主人公が見聞きしたことが疑わしいのはいいとしても、「29年前に全島民が失踪した」という前提までウソなら、なにを土台にフィクションを見ればいいのか。
全島民が殺されたにせよ、失踪したにせよ、そんな大事件なら主人公が事前に知っていてもおかしくない。それ以前に、そんな島の、しかも犯人が住んでいた家に病気の娘を連れてくるなんて、お父さんの行動も不可解すぎる。
サイレンや屍人を幻覚としたコンセプトは秀逸だった。鉄塔を登ってきた屍人も、じつは由貴を助けようとした生者かもしれない。それを蹴落としてしまった。見えない現実を想像すると、なかなか怖い。
ちゃんと作れば傑作になれたかもしれないのに、残念だ。
デスノート ザ ラストネーム
前編より後編がおもしろいとは珍しい
にやけた夜神月(藤原竜也)が一歩退いて、正体不明のL(松山ケンイチ)が前に出てきてくれたおかげで、ぐっと楽しくなった。和菓子を食べまくるシーンは原作ほどの好感を抱けないが、文節を区切らないしゃべり方はいい感じ。
ラストのトリックは秀逸。いささか強引な気もするが、トリックを使わなかった場合は漫画のように展開するわけだから、これなら納得できる。
しかしLは、なぜあそこまでの覚悟ができたのだろう?
原作以上に描写がないので、Lの心情はうかがい知れない。ゆえに興味が湧いてくる。なるほど、これはLのファンが増えるわけだ。
通してみると、悪くない劇場版だった。
電車男
現代版『みにくいアヒルの子』
『電車男』は恋愛ドラマであると同時に、オタクが自分の殻を打ち破る物語である。しかしそれはオタクの否定ではないはず。この映画だと、オタク(みにくいアヒルの子)が一般人(白鳥)の仲間入りするだけに見える。オタクはそんなに駄目な存在なのか。そこには、上にいる者が下の者を引き上げてやろうとする歪んだ慈愛が見え隠れする。
演出をみてもそうだ。電車男はオタク記号の集合体でリアリティがない。彼女を捜すため、夜の町を走り回るなんて、ドラマティックと言うよりファンタスティックだよ。TVドラマもそうだが、制作者はオタクと馬鹿を混同しているのではないか?
でもまぁ、思っていた以上に楽しめた。
ネット住人たちのドラマ(生活の変化)を描いたのはよかった。電車男に影響し、電車男から影響を受けている。彼らの存在が、物語に奥行きを与えている。最後までみると、エルメスは電車男のどこに惚れたのか、電車男は相手にしてもらえるなら誰でもよかったのではないか、といった疑問が頭をよぎるが、まぁ、気にしても意味はないだろう。
電車男は、そーゆーことにこだわらない世界へ行ってしまったのだから。
容疑者 室井慎次
まとまりがなく、楽しめなかった
むやみに登場人物とエピソードを出し過ぎている。
タイトル通り、室井慎次の生き様にのみスポットライトを当てればよかったのに。
結局、「正直者は馬鹿を見る」という身も蓋もない話だった。
ストレスばっかりたまって、気分が重い。
この映画の室井慎次には、好感をもてなかった。
ALWAYS 三丁目の夕日
「昔はよかったな~」と錯覚させるための箱庭世界
再現された昭和33年(1958年)の情景はすごい。すごいんだけど、それだけ。ストーリー的に見るべき点はまったくない。それっぽい人情シーンを寄せ集めただけで、映画になってないよ。
過去が、まるで異世界のように描かれているのも違和感がある。
あの時代にはあの時代のよさはあっただろうけど、苦しさもあったわけで、無批判に絶賛する姿勢は受け入れがたい。だから、すべてが嘘っぽい。もし私が迷い込んだら、タイムスリップしたのではなく、宇宙人の実験場に連れてこられたと思うだろうな。
ただ、夕陽のイメージは素晴らしかった。
あんな気持ちで夕陽を見たことはないな。
THE 有頂天ホテル
「ピタゴラそうち」、もしくは「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」みたいな映画
ふつうにやれば簡単なことなのに、登場人物たちはそれを避け、まわりくどい手段で対処していく。より複雑で、より面倒で、より危険な“その場しのぎ”に明け暮れる様子はとても滑稽だが、冷静に考えるとけっこうシュールだ。
神様(視聴者)の視点からみれば、私たちの暮らしも似たようなものかもしれないからね。
幸いにして、登場人物たちは最後に答えを見いだす。
でもそれは、最初からわかっていたことばかり。
そして、新年が幕を開ける。
一歩ひいてみると、けっこういい映画かもしれない。
SHINOBI
脚本の甘さを、映像の迫力で押し切ってしまった
ストーリーの陳腐さ、演技のつたなさなど、文句を挙げればキリがない。しかしワイヤーとCGを使った大迫力映像が、こうした欠点を吹き飛ばしてしまう。
超能力バトルと化した忍者戦は、想像していた以上に見応えがあった。日本もこんなハリウッド的な映像が作れるようになったんだね。
しかしだからこそ、脚本のイマイチ感は惜しまれる。
物語と映像。同時に高めるのは難しいようだ。
交渉人 真下正義
交渉がうまくいかない交渉人だった
ドラマの演出は素晴らしく、興奮はぐんぐん高まっていく。しかし肝心の筋書きが見えてこない。交渉のプロファイリングも成功したように見えない。「プロの交渉人でも交渉できない相手がいる」というコンセプトなのだろうか?
砲丸投げのタマように加速した謎は、そのままどっかに放り投げられてしまった。
映像はすごいのに、どうにもスッキリしない作品だった。
ローレライ
こんな戦争映画を見たかった
リアルすぎず、ふざけすぎず、重すぎない。ストレートに楽しめる戦争映画だった。本作を軽薄だの稚拙だとの批判するのはたやすいが、ではどんな戦争映画なら望ましいかを答えるのは難しい。だからこそ日本人は、架空の戦争ばかり描いてきたのだから。
喝采を送る一方で、不満点もある。
なにより物語の中核をなす浅見の思想がわからない。民族としての腹切り? 忍者ファンのアメリカ人ならまだしも、死線をくぐり抜けてきた軍人の言葉とは思えない(らしくない)。潜水艦と無線で会話するという状況もあいまって、異様に見える。
ともあれ、いい映画だった。
曖昧さを残すラストも含めて、楽しませていただいた。
博士の愛した数式
きれいにまとめてある
しみじみ感動できる映画だ。最後まで見た人は、こんな授業を受けてみたいと思うだろう。
しかしリアリティは乏しい。
記憶障害の人と付き合う(精神的)苦労はいっさい描写されない。前任の家政婦さんは耐えられなくなって辞めたのに、なぜ主人公の母親は平気なのか? 健常者も障害者も区別せず付き合える彼女は、博士より特殊に見える。
母親だけではなく、まだ幼い(しかも父親がいない)息子も、平然と博士と付き合っている。この親子が特殊と言うより、人物描写が足りていないのではないか?
まぁ、数学の授業で話すハナシだから、割愛された部分もあるのだろう。そういう意味でも、きれいにまとめてあるなぁと思った。
探偵事務所5" 5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語
舞台と物語が合ってない
非現実な舞台で、妙に現実的な事件を描いてどうするのか?
手術のグロシーンも、顔を傷つけられた少女も、生々しくて見てられない。ラストもカタルシスがなく、ストレスばかり残る。勧善懲悪にしろとは言わないが、見て楽しい話にしてほしかった。
591の軽薄さはどうにかならんのか? 小林少年も草葉の陰で泣いてるぞ。
522が「探偵の心得」を並べ立て、ハードボイルドを気どっているところも気に入らない。
オープニングで、5ナンバーの探偵たちが意味もなく事務所をうろつく絵はおもしろかった。
輪廻
幽霊より、恐怖におびえる女優さんが怖い
ぜんぜん期待せずに見たんだけど、意外におもしろかった。しかし疑問もある。昭和45年の無差別殺人事件は本当に意味のない凶行だったのか? 医学教授の考えどおり輪廻転生したのに、そのラストでいいのか? 霊たちのパワーは強すぎないか?
むむむ、振り返ってみると、いろいろアラが見えてきてしまったな。しかし「ここが足りない、惜しい」と思うのは、本作が一定の水準を満たしている証拠だよ。
主人公(優香)の演技はすごいね。
状況が怖そうかどうかより、彼女のパニック症状が心配になった。これほど怖そうな女優さんも珍しい。
男たちの大和 / YAMATO
戦争が悲惨だってことは、もうわかったよ
大和のスケールや戦闘の苛烈さに目を奪われたけど、あんまり感動できなかった。どのシーンもどっかで見た構図ばかりで、目新しい解釈がないんだよね。なので「かわいそー」とか「ひでー」といった当たり前の感想しか思い浮かばなかった。
決して駄目ではない。謎の反転などのエピソードをばっさり切り落とし、米兵をいっさい露出させなかったあたりはうまいと思った。
でも、私には物足りなかった。
鉄人28号 (実写版)
ヘコーッ!
演技がヘコい、脚本がヘコい、CGがヘコい。いや、CGはまだいい。マンガキャラが現代社会を闊歩する違和感はおもしろかった。しかし増上寺の屋根を壊したり、東京タワーをひねることに、どんな意味があったのか? ブラックオックスを強大な敵に描きたいのなら、意味のある破壊活動をしてくれよ。
金田少年は熱演しているが、周囲の大人たちは猛烈にウソっぽい。役者の力量不足と言うより、立ち位置がおかしいのだ。金田少年を戦わせるために配置されたイベント要員みたい。CGロボより違和感があるぜ。
昭和のノスタルジーも、平成のリアリティもない。じつに中途半端な実写化だった。
亡国のイージス
和風「ダイ・ハード」だったのか...
平和ボケした日本人に渇をいれる映画と聞いていたけど、なんだかなぁ~という感じ。役者の皆さんはいい演技してるけど、ストーリー展開が拙速で、無理があるので、どうにも感情移入できない。結局、ギリギリのところでテロを阻止するアクションムービーになってしまった。
本作の評価は高くないけど、コンセプトはよかった。
国について、戦争について、平和について、リアルに考えさせてくれる作品をもっと作ってほしいね。
北の零年
吉永小百合の映画だった
この時代に生きた人々は、世界がひっくり返るような変化を何度も味わったんだね。絶対と信じていたものが次々に崩れ去り、悪だと思っていたものにも理と情がある。ならば一時の理想に殉じるより、現実を受け入れ、がむしゃらに生き抜いた方がいい。そのたくましさに感動する。
とはいえ、映画としては首をひねる点も多い。なにより吉永小百合が汚れないので、悲壮感が伝わってこない。みんな落ちるところまで落ちているのに、吉永小百合だけ“なにか”に守れているような印象を受ける。制作者の「感動させよう」とする意図がミエミエなのだ。ラストで、吉永小百合が相手に尻を向けながら(観客を見ながら)しゃべるシーンは驚いた。そこまでやるのかと、別の意味で感動してしまった。
吉永小百合の映画は、どれも同じようなスタンスなのだろうか?
北の大地の厳しさより、吉永小百合の神秘性が印象に残る映画だった。
サマータイムマシンブルース
馬鹿が馬鹿なことをやっても、おもしろくない
話の構成はよくできてる。細かな演出も行き届いている。
しかし奔走する大学生どもに魅力がなさすぎる。むしろ馬鹿すぎて、腹が立つくらいだ。タイムパラドックスの説明(すべてが消える?)も漠然としていて、物語の緊張感を削いでいる。
真剣にやっても真剣に見えない大学生たち。そんな中、主人公はやたらと熱心だが、根拠が弱い。先生の言葉だけでなく、彼女の誤解を解くためといった動機がほしかった。
大学時代に似たようなサークル活動を経験した人なら、“なつかしさ”を感じるかもしれないが、少なくとも私は共感できなかった。
舞台が小学校なら、ほほえましく鑑賞できたと思う。
妖怪大戦争
有名人の「仮装大競争」だな
最新技術を駆使してリアルに描写された妖怪たちが、特撮より陳腐に見えてしまうのは皮肉なもんだ。俳優のブランドに依存しまくっている。ストーリーもひどいもんで、語るべき箇所もない。今どきの子どもがこんな展開で喜ぶのだろうか。子どもを甘く見ているんじゃないかね?
いろいろ無惨な作品だが、主人公タダシ少年の演技は素晴らしい。
それだけは好感がもてた。
あずみ2 Death or Love
栗山千明だけが素晴らしい
前作以上に薄っぺらになった2。仲間もノルマ(敵)も減ったので、モチベーションダウンしちゃった感じ。前作キャラの使い回しじゃ新しい風にもならず、よどんだ空気のまま終わってしまった。
そんな中、栗山千明の演技が際立つ。役柄やセリフはステレオタイプだが、演技によって輝くとは思わなかった。彼女の哲学や半生に興味が向いてしまうよ。
サブタイトルの「Death or Love」だが、あんまり二択になってないよね? 「Misson or Love」ならわかるけど。いずれにせよ使命も愛も中途半端で、悩むほどの話じゃなかった。
せめて笑えるところがあれば、あと1点追加できたのだが・・・。
THE JUON 呪怨
こんなにツマラナイ映画だったとは……
和風ホラーと聞いていたけど、こんなに不条理で、こんなに物理的で、こんなに無差別で、こんなに万能で、こんなにツマラナイとは思わなかった。
もはや幽霊というより、異次元モンスター。弱点もないし、言葉も通じないから、一方的に襲われるだけ。それだけ強烈な呪怨の源泉が、まさか外人に横恋慕する主婦だったとは。主婦、恐るべし。
関係ないけど、ゲーム『零3』がこの映画に影響されていることがよくわかった。だから『零3』もツマラナイのだ。
デビルマン (劇場版)
うわさどおり、すさまじい出来映えだった
ひどい、ひどいと言われているが、本当にひどかった。
「アニメと実写の融合」を標榜しているが、どちらの要素もへぼい。苦労を知らない新人監督がメガホンをとったのかと思ったら、ベテランだったとは。10億円もかけたのに、誰もコントロールできなかったのか。映画ってすごいな。
CGはよかった。物語の一部として見ると意味不明だが、パーツだけ抜き出せば悪くなかった。ほかに評価すべき点はないな。