注文の多い料理店 (女のサスペンス 文豪シリーズ) The Restaurant of many Orders

1990年 日本映画 3ツ星 文学・古典・童話 犯罪

まさかファンタジーだったとは

宮沢賢治の『注文の多い料理店』をモチーフにしたサスペンス。よかった点は2つ。1つは不審な支配人や料理人を強盗逃亡犯と設定したこと。注文が多い料理店が実在する不自然さを、うまく説明している。「食べられる」が「殺される」に置き換えられ、恐怖心が増す。
もう1つは岡田奈々のリアルなゆるさ。恋人がいるのに結婚を決めきれず、編集長の強引さに身をゆだねようとしている。恋人が嫌いなわけでも、編集長が好きなわけでもなく、ただ揺れているだけ。編集長(西岡徳馬)のあざとさが、危機感を高める。彼女が「食べられて」しまう!
恋人(鶴見辰吾)が駆けつけたのは偶然か? 編集長に招待状を贈ったのは誰か? 強盗逃亡犯たちはなにを考えているのか? 中盤までの盛り上がりは素晴らしかった。

が……結末はぐだぐだ。アイデアを練り込まずに作っちゃって、ラストを投げちゃった感じ。期待が大きかった分、落胆もひどかった。

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