レビュー  2014年03月15日  に発表された 

東京が戦場になった日 / NHKスペシャル終戦特集ドラマ
Tokyo ga Senjou ni Natta hi

3ツ星

これは銃後の出来事

NHK名古屋放送局制作の終戦ドラマの6本目。戦時中の日本を卑下する運動が活発化するなかで、事実を向き合おうとするドラマが制作されることを喜びたい。

本作で描かれるのは銃後──この国の首都・東京で、私たちと同じ兵士でない市民の頭上に落ちてきた地獄だ。「お国のために」と勇んで出征した人も、そそのかした人も出てこない。
これが「侵略戦争で世界に迷惑をかけたことの因果応報」とか「政府による洗脳を受け入れた市民が受けるべき天罰」と認識している人は、今後どこかの国で虐殺が起こっても同じように肯定するのだろうか? 「日本民族は特別に邪悪だった」という詭弁にも無理がある。
いかなる時代であろうと、こんな虐殺が許されていいはずがない。戦争に負けて文句を言えないのはわかるが、その責任を政府や天皇に押し付ける教育は、事実から乖離しているし、次の戦争を防げない。

といったサヨクへの憤りはともかく、ドラマとして見ると出来はいまひとつ。
現代の老人が過去を思い出す構図はありきたりだし、終戦から69年も経っているので不自然に見える。また回想でありながら、群像劇のように描かれたのもマイナス。『鬼太郎が見た玉砕 -水木しげるの戦争』(2007)もそうだったけど、視点が安定しないとすべてがウソっぽく見えてしまう。志願しないでくれと泣いてたのむ母や、耳が聞こえなくて空襲に気づかない女学生など、あざといキャラクターも目につく。
火災の映像や、消火活動の様子はリアルだったから、ドラマパートで調子を外したのはもったいない。

資料映像や図説を取り入れ、教材になるようなドラマを目指してほしい。

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東京が戦場になった日 / NHKスペシャル終戦特集ドラマ