[Edit]
[レビュー1958年06月29日に発表された 

殺人鬼 蜘蛛男 Kumootoko

ショッキングにして単調

求人広告で女性を集め、面接でターゲットを絞り込む。仕事と偽って館に連れ出して、殺す。蜘蛛男の手口は単純だけど、巧妙だ。一方で、死体を石膏像に埋め込んだり、蜘蛛男を名乗って世間を騒がすなど、不可解な行動も多い。蜘蛛男は何者か? 出だしはよかった。

その後も山場がつづくんだけど、ストーリーが頭に入ってこない。場面展開で状況を見失うことが多いからだ。このころは演出ノウハウが未発達だったのだろう。終盤手前で、ようやく蜘蛛男の動機が判明するのだが、自分を捨てた奥さんを憎むあまり、似た顔の女性に復讐するってのは、あまりに狂ってる。ここまで頭がいい犯人を、ただの精神異常者にするのはもったいない。もう少し共感できる事情があればよかったのだが。

殺人鬼(蜘蛛男)と名探偵(明智小五郎)の頭脳バトルはおもしろかった。動機も早い段階で明かして、その向こう側まで足を踏み込んで欲しかった。

Share

Next