[Edit]
[レビュー2005年10月04日に発表された 

世にも奇妙な物語 2005 秋の特別編

Yonimo Kimyouna Monogatari: Autumn 2005

今宵解き明かせない謎の扉が開く...驚愕の世界へ...

8分間 (坂口憲二)

[あらすじ] 午後3時になると決まって8分間だけ記憶が飛んでしまう主人公。その8分間で、自分は自殺を試みているらしい。どうにかして自分の自殺を食い止めなければ。

[感想] かなり恐ろしい状況。夢と現実を空の色で分けているのもうまい。8分間の自分とコミュニケーションできたら、どうなっていただろう。

過去が届く午後 (松田聖子)

[あらすじ] 人気デザイナーのユウコに宅急便が届けられた。差出人は7年前に結婚退職したマサミ。借りたままになっていた画集を返すという。昔を懐かしく思うユウコ。ところがマサミが借りたままだったから返すという品物は、徐々にエスカレートしていった。
[原作]唯川恵「過去が届く午後」

[感想] 松田聖子の平常時と怒ったときの変化がよかった。マサミの家を単身で訪ねるのは危ないと思うが、松田聖子のキャラクターなら理解できなくもない。ただ、松田聖子が前面に出すぎたため、マサミの事情がわからなくなった。なぜマサミは、自分とユウコを同一視するようになったのか。すべてを返済したとき、なにがあると信じているのか。影の部分を描いてくれないと、対比が成立しない。大物を起用した弊害かもしれないね。

影武者 (原田泰造)

[あらすじ] 戦国時代。農民だった主人公は武士たちに連行され、殿様の影武者を命じられる。最初は出世できると喜んでいたが、自分の家族が殿様の手勢に殺されていることを知って、殿様に殺意を抱く。
[原作]手塚治虫「最上殿始末」

[感想] 振り返るとシンプルな物語なのに、意外性があってよかった。影武者が天下統一し、その子孫が平和な時代を作るのは皮肉だ。影武者徳川家康を彷彿させる。

ネカマな男 (椎名桔平)

[あらすじ] 借金を抱え、仕事を失い、家でふてくされているリョウイチ。妻アキコとの関係も冷え切っている。そんなリョウイチの楽しみは、19歳の女子大生とのメール交換。リョウイチは、妻アキコのアカウントで女になりすましていたのだ。
[原作]今邑彩「穴二つ」

[感想] きっと相手は中年男だろう、という予測を逆手にとった展開がよかった。リョウイチが身勝手すぎて、まったく同情できない。相手が中年男性でも、会えばよかったのだ。

越境 (木村佳乃)

[あらすじ] カメラ好きの青年が、見慣れない中古カメラを買った。中にフィルムが残っており、現像すると、人気女優が映っていた。しかし背景が日本らしくない。写真の秘密を求めて、青年は女優のもとを訪れた。

[感想] 北朝鮮の問題を本気で考えるのに、いいキッカケ。新型爆弾で「穴」が空いたという設定も、SF的な説得力がある。ただラストは冗長。どちらの世界でも、彼は鈍すぎる。

Share

Next