ブレア・ウィッチ・プロジェクト The Blair Witch Project

1998年 外国映画 2ツ星 モキュメンタリー モンスター 幽霊 怪談:都市伝説 狂気

怖いだけじゃ、ホラー映画にならないぜ

この映画の珍しい特徴については、よそを参照してくれ。とにかく感想だけ述べる。
怖くて、リアルな映画だった。それだけ。

不気味な森の中で、遠回しに追いつめられていく様子はモーレツに怖かった。極限状況の中で、むなしく仲違いしていく3人組はリアルで、絶望的だった。
そのコンセプト、撮影手法、演出、テンポ、どれも素晴らしかった。
なのに、この映画を賞賛することはできない。

なぜって、あまりにも唐突に終わってしまうから。
彼らが森で遭遇したものはなんだったのか? なにが目的だったのか? ブレア・ウィッチは実在するのか? 彼らはどうなってしまったのか?
謎はまったく明らかにされない。
私は映画館で、フィルムが切れたのかと思ったほどだ。

しかしまぁ、それもリアルといえばリアルだ。
逃げまどいながらも謎を解き、怪物の正体や来歴を探りあて、都合よく弱点を見つけて、戦い、打ち破る......なんてのは、まさに物語の世界だけだ。もし現実に悪霊と遭遇したら、この映画のように、わけもわからず殺されてしまうだろう。
物語としての甘さがまったくない。なさすぎる。

怖くて、リアルなんだけど、物語としては失格だったように思う。そんな作品だった。


ブレアウィッチ
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