八つ墓村 / 古谷一行 名探偵・金田一耕助シリーズ#13 Yatsu haka-mura / Village of the Eight Tombs

1991年 日本ドラマ 2ツ星 #金田一耕助

夏木マリの恐怖

古谷一行による二度目のドラマ化。最初のテレビシリーズ(1978)ほど改変されていないが、旨味成分がごっそり抜けている。

最大の問題は、大量殺人の動機が多治見家への復讐に置き換えられたこと。わかりやすいけど、それじゃタタリにならない。破傷風で苦しむ姿は、逆にタタリを受けているようだが、そういう演出意図はなかったようだ。
寺田辰弥(鶴見辰吾)は受難の主人公を好演している。迫力ある森美也子(夏木マリ)との相性もよく、濡れ場も怖かった。ほかの配役も不足ない。金田一耕助は最初から登場し、要所々々で物語を転がしてくれるが、やや出しゃばりか。しかし因習の重さが描けていないため、浮いてしまっている。

うまく整理されており、とてもわかりやすい。しかしタタリの恐怖を感じられる映像化ではなかった。

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