レビュー  1998年07月05日  に発表された 

地球より永遠に / ウルトラセブン誕生30周年記念3部作 (2/3)
Ultra Seven 30th Anniversary Memorial Trilogy (1998) #2 From Earth Forever

4ツ星

踏み込んではならない領域

あらすじ

長野市近郊の不動岳で火山ガスが発生。調査に向かったウルトラ警備隊は、硫化水素を呼吸する男を発見する。男には新種の硫黄細菌が植え付けられていた。
一方、ダンは麓にある寂れた町を訪れていた。この町では、不景気にもかかわらず破格の待遇の求人があるらしい。だが、応募した人はみな行方不明になっている。事件の背後に星人の気配を感じとったダンは、調査を開始するが、何者かの警告を受ける。

宿が爆破され、ダンは容疑者として手配された。ダンの帰還に気づいたフルハシ参謀は、ウルトラ警備隊に捜索を命じる。動きにくくなったダンは、カザモリ隊員に接触し、その姿を借りた。
カザモリ=ダンとサトミは、集められた若者たちが硫黄細胞の移植手術を受けていることを突き止める。ガッツ星人の仕業だ。ガッツ星人は不敵にもカザモリ=ダンを排除せず、地球人へのメッセージを渡した。

それによると、10年以内にマントルプリューム現象が発生し、地表のあらゆる生命は焼き尽くされるであろう。新しい環境で生き残るには、ガッツ星人の科学力を借りて硫黄細胞の移植手術を受けなければならない。ガッツ星人は、地球人類と地球文化を守るために行動しているとシルされていた。
残念ながら人類の科学力では、ガッツ星人の予測が正しいかどうかわからない。地球防衛軍の議会は紛糾するが、ガッツ星人の提案は拒否することになった。たとえ終末が待っていようとも、人類は自分自身の手によって運命を決するのだ。
ガッツ星人の基地に攻撃が加えられる。ガッツ星人も硫黄怪獣サルファスで応戦する。カザモリは基地に残った若者たちを救出しようとするが、未来に絶望した者は基地と運命をともにした。ウルトラセブンはサルファスを撃退し、ガッツ星人の円盤を破壊した。

(おわり)

前後編か、3部作で作ってもいいくらいのボリューム。マントルプリューム現象は避けられない未来なのか、ガッツ星人が侵略のために弄した虚言なのか? 真相は明かされないまま閉幕する。

「何者も、踏み込んではいけないんだ。
 他の惑星に生まれ、滅んでいく者たちの運命に」

ウルトラセブンは悲壮な思いで戦うが、なぜそう思うのかわからない。滅びゆく者は選択の余地がないから、安易に手を差し伸べて貼らないと言う意味か。ではセブンも地球が滅亡するときは助けてくれないのか。
見方を変えると、未来に絶望した若者たちも「滅びゆく者たち」と言える。彼らはガッツ星人に未来を託したわけだが、そうなった背景にも問題が潜んでいる。やはり時間が足りない。

自分がなにを見たのか、頭をフル回転させて考えていると、フルハシ参謀がニコニコしながらカザモリ隊員を追い回すので、どうでもよくなった。組織のボスがコメディリリーフをつとめるなんて、かつてなかったパターンだ。フルハシ参謀、ステキすぎる。

妄想リメイク

 廃工場の地下で、カザモリ=ダンはガッツ星人にウルトラガンを向けた。しかし銃声とともに倒れたのはカザモリだった。撃ったのはバーにいた娘・ナオミ。かたわらには、死んだはずの弟・ナオトが立っていた。
「ウルトラセブン。これは侵略ではありません」
 それは、昨夜警告してきた声だった。
「黒幕はガッツ星人ではなく、地球人だったのか」

 ナオトはトラック運転手だったが、火山の噴火に巻き込まれて死亡した。しかしガッツ星人の科学力によって、硫黄人間として生まれ変わった。ナオトはガッツ星人と共謀し、すべての地球人を硫黄人間に改造する計画を進めていたのだ。
「そうだ。おれたちは自分の意志で、硫黄人間になることを選んだんだ」
 ナオトの背後から、わらわらと若者たちが現れた。解放されたサトミがカザモリのそばへ駆け寄る。若者たちは騙されたり、さらわれて集められたが、ナオトを信じることで、硫黄人間になった。同意なしの手術はしていない。心のどこかに疑念があると、手術は失敗してしまうからだ。
「だが、なんのため硫黄人間になる?」
 カザモリの問いに答えたのはナオトだった。
「明日を生きるためです。10年後、マントルプリューム現象によって地球環境は激変します。人類は滅びるでしょう。でも硫黄人間になれば、激変した環境でも生きていける。
 信じてほしい。ぼくたちもまた地球人です。現人類と対立するものではありません。むしろ、伝えてほしい。いっしょに未来へ行きましょうと」
 ナオトはウルトラガンをカザモリとサトミに返す。サトミはナオトに銃口を向ける。
「マントルプリューム現象の発生は予測できない。これはガッツ星人の侵略よ」
 しかしサトミも引き金を引けない。

 そのとき、地球防衛軍の攻撃がはじまった。サトミが本部に連絡していたのだ。発信器が壊れているため、攻撃を止めるすべはない。ナオトはガッツ星人に「サルファスを出せ」と命令する。地上で硫黄怪獣サルファスが出現し、攻撃が緩和されたが、ここは遠からず崩れ落ちるだろう。

 サトミは手術を受けていない人間を逃がす。カザモリは硫黄人間たちを説得するが、彼らは基地の奧へ消えていった。
「待て! きみも同じ考えなのか?」
 カザモリからダンの姿にもどって、ナオミに問いかける。
「ウルトラセブン。あなたにも救えない問題がある。
 私たちは現代社会に絶望している。未来がないからこそ、ガッツ星人に賭けた。マントルプリュームが起こるかどうかは、どうだっていい。
 でも賭けに敗れた今、私たちに居場所はない」
「そんなことはない。人類はきっと!」
 そのとき瓦礫が落ちてきて、ナオミは死んだ。地球防衛軍はサルファスに苦戦しているようだ。ダンはウルトラセブンに変身して、サルファスと戦う。サルファスの硫黄ガスに苦戦するが、ウルトラホークが太陽光を届けてくれたので勝利できた。

 ウルトラホークは、岩場に潜んでいたガッツ星人の円盤を発見した。ウルトラセブンは攻撃を止めようとするが、間に合わず、円盤は破壊された。

 戦い終わって、カプセルから解放されたカザモリは、ダンと対面する。
「おまえは指名手配の! いや、ちがう。人間じゃないな!」
 銃を構える。
「私はウルトラセブン」
「ウルトラセブン!?」
「私は地球が好きだ。この星で生きる人々、自然、文化を愛している。だから、侵略者と戦ってきた」
 遠くを見つめるダン。カザモリは銃をおろす。
「私はいまの地球を愛しているが、変化を止めることはできない。これからどう変わっていくか、どう変わらずにいるかは、きみたちが決めることだ」
「なにを、言ってるんです?」
 サトミ隊員の声に振り返ったすきに、ダンは消えていた。

 ウルトラ警備隊の面々と合流するが、カザモリは記憶がないため、サトミ隊員に小突かれる。事件の真相がよくわからない中で、カザモリはダンの言葉を思い出す。
(どう変わっていくか、変わらずにいるかは、きみたちが決めることだ)

(おわり)


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