禁断の惑星 Forbidden Planet

1956年 外国映画 4ツ星 SF:ファーストコンタクト ロボット:自律型

ここがイメージの原点か

宇宙移民をはじめた人類、辺境の生存者たち、地球文明を知らない美少女アルティラ、神のごときクレール人の遺産、ロビー・ザ・ロボット、そしてイドの怪物......。
魅力的な要素が盛りだくさん。「もっと掘り下げてほしい」「こう見せたらかっこよくなるのでは」と思わせるところがニクイ。こんな映画を見せられちゃ、インスパイアされずにいられない。『伝説巨神イデオン』が直系の子孫であることがわかった。

ロビーがいいね。その大きさ、デザイン、機能、挙動、威圧感は、いま見ても新鮮。しゃべるときにカシャカシャ作動音がするのは、録音テープを選択再生しているせいかな? 『地球の静止する日(1951)』のゴートと大きく異なるが、通じるものがある。
不気味に見えるロビーだが、人間に害するものではなかった。イドの怪物を無視したり、阻止しなかったのは、その正体を見抜いていたから。ロビーがただの作業機械だったことは、大きな衝撃だった。

宇宙船C-57-Dのメンバーが考えをごり押しするのは、痛々しい。欲望と不安を「正義」と言い換えて、武力を背景に強要する姿は、まるっきりアメリカ。しかし強引に介入したことで、将来の破局を防いでいる。これでよかったのか? 悩ましい。

とにもかくにも考えさせる名作だった。

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