カプリコン・1 Capricorn One

1977年 外国映画 3ツ星 宇宙開発

最後がチト弱かった

アポロ計画で人類が月に降り立ったのが1969年だから、わずかその8年後に陰謀説を彷彿させる映画を撮ってしまうアメリカはすごい。この映画をほかの国が作っていたら、問題作じゃ済まなかっただろうな。

NASAがプロジェクトを守るために、どんどん悪事に手を染めてしまう過程が恐ろしい。この隠蔽工作にも多大なお金がかかっているだろうから、本末転倒も甚だしいが、「あり得ない」と言い切れないところに怖さがある。
惜しむらくは後半。カーチェイスや荒野の逃走劇で盛り上げようとするが、いささか弱い。宇宙飛行士が自身の生命とプロジェクトの存続を秤にかけて、迷うシーンがほしかった。ただ生き残るためのアクションは、問題を矮小化させている。

手放しでは絶賛できないが、一見の価値はある。

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