レビュー  1992年12月20日  に発表された 

宇宙の騎士テッカマンブレード (全49話)
Space Knight Tekkaman Blade (Teknoman) [TV]

3ツ星

TVシリーズでやる話じゃなかった

シリーズ構成
  • 敵の走狗となった肉親や知人と戦う宿命を背負った孤独な男が地球に飛来
    • 肉親や知人と戦う代わりに、今度は共に戦う新しい仲間ができ、次第に心を開く
      • ついには、人の心を持ったまま脱出した妹と再会する
        • その喜びもつかの間、妹が自分を守るために肉親達と戦い、散ってしまう
      • 自らもテックシステムによって傷つくが、仲間達の助力でシステムを進化させてパワーアップ
    • 肉体の崩壊は抑えられたものの、副作用で脳細胞に影響が波及し記憶を失い始める
  • 人としての自分を捨てて、最後の敵である弟と兄を倒し、記憶を失って地球に帰還する

宇宙の騎士テッカマンブレード - Wikipedia

アーチ構造になるストーリー構成が素晴らしい。視聴中はどんどん丸くなるDボウイが不安だったが、ミユキを失ってからの下降は凄まじかった。とりわけ「ブラスター化」の代償が寿命ではなく、変身するたび記憶を失うってのは斬新。それでも戦い続けるため、憎しみだけにすがり、ついには自我を失う。しかしそれゆえ、弟と兄をためらうことなく殺すことができた。なんというドラマ。Dボウイは近年まれに見る不幸な竣工だった。

SF設定も秀逸。ラダム獣はむやみに人間を襲わず、ラダム樹が生育する環境づくりを優先する。ラダム獣の手に負えないことは、テッカマンが引き受ける。ラダム獣が羊、テッカマンが羊飼いとなる。テッカマンは現地惑星の知性体を改造するから、現地の環境や文化に詳しい。じつに効率的な侵略システムだ。そして姿を見せぬラダムの正体は、じつはテッカマンに寄生する小さな虫だった。ブレードやレイピアは、この寄生虫が入っていないため、人間としての自我を保っていたわけだ。これまた驚愕の事実である。

だが、絵がひどかった。いったん崩れると、だれがだれだかわからない。ブレードの戦いより作画崩壊にビクビクしながら観ていた。おまけに演出がくどく、アックスやエビルのしつこさは夢にみるほどだった。

毎週放送のテレビアニメとして、品質を維持できる体制がなかったようだ。OVAでじっくり作れば傑作シリーズになっただろうに。『宇宙の騎士テッカマン』(1975)から17年後に作られたので、2009年あたりにリメイクしてもらいたい。

 Googleで「宇宙の騎士テッカマンブレード 」を検索する
 Wikipediaで「宇宙の騎士テッカマンブレード 」を検索する
 IMDBで「Space Knight Tekkaman Blade [TV]」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B00005HPT6
思考回廊 レビュー
宇宙の騎士テッカマンブレード (全49話)