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[レビュー2006年09月10日に発表された 

9.11アメリカ同時多発テロ 最後の真実 The Path to 9/11

世界は複雑になりすぎた

2009年9月13日にテレビ朝日で観賞。もとはABCネットワークが制作したドキュメンタリードラマ。二夜連続の5時間番組を2時間枠に収めているせいか、テンポが悪く、ドキュメンタリーとしてもドラマとしても、中途半端な印象を受ける。やたら顔をアップにするカメラワークも好感がもてない。

ドキュメンタリーとして見ると、視点が偏りすぎている。テロリストを擁護するつもりはないが、イスラム社会がアメリカをうらむ背景を説明しないのは不公平だろう。911を防げなかった責任を、政府の弱腰や法の制約に転嫁する姿勢もおかしい。このドラマが制作された2006年には、イラク戦争や愛国法の問題も指摘されていただろうに。

ドラマとして見ると、カタルシスがない。残忍なテロリストであることは明らかなのに、逮捕はもちろん、身体検査も家宅捜索も駄目。身内は今そこにある危機を無視して、ささいなミスをあげつらう。たまりにたまったストレスは、どこへ向ければいいのか?

まぁ、『華氏911』が偏っていないわけじゃないから、こういう対岸に位置する番組にも存在意義はある。あわせて『911の嘘をくずせ ルース・チェンジ・セカンド・エディション』を見るとおもしろい。市民は、その中から「お気に入りの真実」を選べばいい。


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