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[レビュー1985年12月13日に発表された 

コーラスライン A Chorus Line

あまりにも過酷なショウの世界

コーラスラインとは、役名のないダンサーたちが舞台の前に出ないように引かれる線のこと。同じ舞台に立っていても、メインキャストとコーラスはまったく別物。生きた背景でしかないコーラスの仕事を得るために、多くの若者が人生を捧げ、傍若無人なオーディションに耐えぬいている。わからない。わからないけど、すごい。すごすぎる。

演出家のザックも、そんなコーラスの情熱に思うところがあるらしく、彼らを活かした舞台を考えているようだが、それが『コーラスライン』というミュージカル作品に通じるメタ構造になっており、とても興味深い。カメラも劇場の、それも舞台の上からほとんど動かない。単調になりがちなドラマを、ミュージカル演出が補う。おもしろいよ。

本作では一線を越えたコーラスたちだが、多くの作品では観客に意識されることもない。だがしかし、それはコーラスにかぎった話ではないだろう。そう思うと、ぶるるっとやる気を起こしてくれる映画だった。

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