レビュー  1976年11月03日  に発表された 

キャリー
Carrie

3ツ星

救いのない物語

ストーリーは至ってシンプル。切り詰めれば30分で終わるだろう。ストーリー中毒の私にとっては冗長だし、もう少し人物描写してほしい。母親がおかしくなった理由、キャリーが排斥された経緯、スーの罪悪感、トミーの女性観、ミス・デジャルダンがキャリーを可愛がる理由など......。描くべき点はいくらもあるが、どうでもいいと言われればどうでもいいか。

映像は素晴らしい。画面を2分割する撮影方法、スローモーション、音楽、全体にかかるソフトフォーカスなどは、2014年に鑑賞したせいか、過去を回想するような気持ちになった。また、シシー・スペイセクのキャリーは適度に残念な容姿で、純朴だが不安定な雰囲気をばっちり再現している。守ってあげたいような、関わらないほうがいいような。彼女をモデルに物語を作ったようだ。

怖いのはキャリーの超能力ではなく、その不安定な精神であり、元凶である母親の狂気だ。しかし人々はキャリーにのみ憎しみを向け、背景に思い至らなかった。アメリカには、こうした偏狭な親が多く、しかも増えているらしい。そこかしこに爆発寸前のキャリーがいると思うと、ぞっとする。救いのない物語だった。

 Googleで「キャリー」を検索する
 Wikipediaで「キャリー」を検索する
 IMDBで「Carrie」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B00005Q86C
思考回廊 レビュー
キャリー