エクソシスト3 The Exorcist III

1990年 外国映画 3ツ星 モンスター:悪魔 刑事・警察

悪魔が悪魔的な犯行を?

『エクソシスト』の17年後に作られた続編。『2』をの出来に不満をもった原作者が、監督、脚本、製作をつとめている。なるほど『2』ほど荒唐無稽でないが、『1』ほど切れ味はない。

サイコサスペンス調に仕上がっているが、ぶっちゃけ、悪魔は必要なかったのではないか。悪魔が悪魔的な犯行をしても意味がない。しかも悪魔が十数年かけてカラス神父の身体を修復した目的が、単なる「嫌がらせ」ってのは悪い冗談のようだ。悪魔はそんなに暇なのか? スケールが小さすぎる。

ショッキングなシーンを見たいわけじゃないが、えんえん言葉で形容するだけってのも退屈だ。本作におけるエクソシストも、出番が遅くて短い。おまけにメリン神父のような知恵も意志力も感じられない。キンダーマン警部の細かな所作は魅力的だが、人間的な深みは描かれていない。もろもろ中途半端だ。
比べると、『1』の完成度の高さがわかる。原作者でも『1』の素晴らしさを再現できなかった。だからといって原作者が無能とか、『1』のフリードキン監督がすごいと言いたいわけじゃない。映画は化学反応なんだろうな。

エクソシスト
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