レビュー  2000年12月30日  に発表された 

人狼 JIN-ROH
JIN-ROH

4ツ星

父母の物語だと思ってみると、感慨もひとしお。

主人公・伏が切なすぎる。
ヒーローになれない男。与えられた役割をこなすだけ。
しかし迷いも甘さもある。非情に徹しきれない。優しさに殉じることもできない。
ハッキリいえば情けない男なのだが、不憫でならない。
頭をなでる大きな手があれば、スポーツ選手として喝采を浴びていたかもしれないのに。
……不思議な憐憫を感じさせる。

とはいえ、これこそがリアルとも言える。
純粋な悪や正義などなく、半端な者たちが、その場その場に反応して生きていくだけ。その結果に、勝者と敗者、そして犠牲者がいる。

──昭和初期。
伏はたぶん、父や母と同じくらいの年齢だ。父や母は、この時代に生きていたのだ。
そう思ってみると、また奇妙な感覚に襲われる。
現実はいつも、遠い異国の物語のように感じるのかもしれない。

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