ミッション・トゥ・マーズ Mission to Mars

2000年 外国映画 2ツ星 SF:ファーストコンタクト 地球外生命 宇宙開発

ペース配分がよろしくない

予告編を見れば、どうしたって「火星になにがあるのか?」に興味が向く。なのに映画の大半は火星に至る道のりで消費される。火星到着後のドラマもそれなりにあるが、あっさりしている。ペース配分をまちがっている。

「宇宙人についていく」という決断もいささか唐突だ。もう少し悩むか、はじめから宇宙に過度な期待を抱いているか、段取りを踏んでほしかった。
ふと、『新トワイライトゾーン』にある『Chameleon』というエピソードを思い出した。本作とは逆の決断を下しているが、あちらの方が納得できる。未知と遭遇して、希望だけで恐怖を抱かないのはおかしいと思う。

おそらく監督自身にとって当たり前の結論だから、細かいところを省いたのだろう。映画監督ともなれば、一般人と感性が異なるのも当然。あるいは宇宙飛行士も、そうかもしれない。ただ、映画を見るのは一般人なので、唐突さはぬぐえなかった。

山田芳裕の『度胸星』(2000)と同じ頃に、こんな映画があったんだね。ファースト・コンタクトの出だしはパターンが確立されているし、おもしろさも保証される。問題は、そのあとなんだ。

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