レビュー  2001年09月27日  に発表された 

サイレントヒル2 (PS2)
Silent Hill 2

4ツ星

目を背けたくなるほど、怖くて、切なくて、美しい物語

ストーリー

「思い出のあの場所であなたを待っている......」
3年前に死んだはずの妻からの手紙を受け取ったジェイムス・サンダーランドは、新婚旅行で訪れたサイレントヒルをやってきた。しかし町は深い霧に覆われ、人影はなく、不気味なクリーチャーが徘徊していた。さまざまな出会いを経てジェイムズは、かつて宿泊したレイクサイドホテルへと辿り着く。そこには1本のビデオテープが残されていた。

  • アンジェラ ... うつろな女性。サイレントヒルで母親を探している。父親に性的虐待を受け、殺害している。
  • エディー ... 愚鈍な若者。日常的にいじめを受けていたが、逆上して犬を殺害し、サイレントヒルに逃げてきた(殺人をしていない)。やがて発狂し、ジェイムズに襲いかかる。
  • マリア ... 死んだメアリーとそっくりな女性。性格は真逆で、わがままで、エロティック。その正体はジェイムズの「理想的なメアリーと会いたい」という願いから生じたクリーチャー。
  • ローラ ... ジェイムズを敵視する少女。病院で知り合ったメアリーを母親のように慕い、探している。ローラには裏世界が見えておらず、クリーチャーに襲われることもない。
  • レッド・ピラミッド・シング ... 赤い三角頭の怪物。行く先々にあらわれるが、ジェイムズを直接攻撃することは少ない。その正体はジェイムズの「みずからを罰してほしい」という気持ちから生じたクリーチャー。
  • メアリー ... ジェイムズの妻。長い闘病生活で容姿が崩れ、精神を病み、ジェイムズにつらく当たっていた。数日前にジェイムズに殺害されている。

まず驚いたのはグラフィック。ついにゲームはここまで高精細な表現力を手に入れたのか。霧も本物のガスのようだ。
操作感覚もいい。ジェイムズが走り出したり、止まるときの画面のゆれがとてもリアル。思わず自分の体もつんのめった。ひたすら走り続けると、疲れて息が切れるのも新鮮。ジェイムズの首は、アイテムやクリーチャーがあるとその方向を向く。おかげでアイテムの見落としが減った。プレイヤーが気づいてないのに、キャラクターがアイテムを見ているというのはおもしろい。この性質を活かした「姿が見えない牢屋の怪物」が素晴らしかった。ジェイムズの首は「そこになにかいる」と示しているが、見えない。発砲すると命中し、血しぶきが飛び、声がする。撃ち続けると死んで、落ちたことがジェイムズの首の動きでわかるという趣向だ。よく思いついたものだ。


見えない囚人

初回プレイ時はジェイムズをハリーと混同していた。外見のちがいはPS1とPS2の描写力のせいと思いこんでいた。いやはや。『1』の経験から裏世界があると期待していたが、なかなか出てこない。あっちこっちのお使いにも疲れ、「コレジャナイ」と落胆した。正直、最初の満足度は低かった。
しかし2周、3周と繰り返すことで愛着がわき、評価も高まっていた。さらに時間が経つと面倒なところは忘れ、美しい音楽と、悲しいストーリーだけが印象に残った。こうした経年変化さえも、本作のストーリーに合致している。

最初のプレイで、ジェイムズが忘れていることを、ジェイムズより先にプレイヤー(私)が気づいたときの感覚を忘れられない。「ひょっとして...」「まさか...」「ああ、やっぱり!」と確信したあとに、ジェイムズが認める展開は素晴らしい。多くのプレイヤーはどのあたりで気づいただろうか?

しかし演出面で見ると、いろいろ不親切。ローラの消息はしっかり描くべきだし、エディーがだれも殺してないのもわかりにくい。ジェイムズはマリアを殺したと言うが、具体的にどうやって? また警察に逮捕されることはないの?また警察は事件性を把握してるんだろうか? 同じくアンジェラ、エディーは警察に追われてないの? マリアがクリーチャーであることを示すため、もっと頻繁に殺されていいような。

でもまぁ、おもしろかった。
最後に、レッドピラミッドシングを絶賛しておく。あの造形、あの挙動、あの正体、あの末路。たまらないね。


 Googleで「サイレントヒル2 」を検索する
 Wikipediaで「サイレントヒル2 」を検索する
 IMDBで「Silent Hill 2」検索する

コメント (Facebook)

[ASIN] B000067OWM
思考回廊 レビュー
サイレントヒル2 (PS2)