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[レビュー2002年08月25日に発表された 

戦闘妖精雪風 (OVA全5話)

Battle Fairy Yukikaze

原作読んでても理解しがたい

空中戦はかっこいいが、それだけ。世界観や登場人物の説明が足りてないから、いま、だれが、どこで、なにと戦って、どうなったのか、理解が追いつかない。私は原作を読んでいるから、なんとなくわかるが、「らしくない」言動が戸惑ってばかり。

「らしくない」と言えば、深井零の前髪が長すぎる。ヘルメットをかぶっても鼻の下まで髪が届いてる。ブッカーも色気が強い。ここまでやるのか。
スーパーシルフなどの戦闘機の形状も「らしくない」。フェアリィとの戦いで独自進化を遂げたにしても、コックピットをカプセル型にしたり、機体に穴を空けるのは、空力特性を考えたデザインだろうか? そりゃ前進翼やカナードはかっこいいけどさ。ガンダムやエヴァンゲリオンなら問題ないが、『戦闘妖精・雪風』の世界観に合致しない。
ジャムにも戸惑う。原作を読みながら思い浮かべていた雰囲気がない。まぁ、映像化するならブレブレの戦闘機にするしかないけどさ。これはデザインと言うより、「ジャムとはなにか?」の問いかけが弱いことに起因する。
ダメ押しで雪風(AI)のツンデレも理解を越える。原作も理解を越えるけど、こんな早い段階から突飛な行動はしなかった。そんな雪風を問題視しない零も奇妙。零と雪風の関係は、コミュニケーションを介在するものじゃなかったはずだ。

とにもかくにも説明が足りない。味方を見捨てても情報を持ち帰ることの意味。目視より雪風の判断を優先することの意味。メイブを見た地球の軍人がジャムと誤認することの意味。さらには零が雪風とともに異世界に残ると決めたことの意味。OVAだけで理解するのは無理だ。

原作「戦闘妖精・雪風」

南極に出現した超空間通路から異星体JAM(ジャム)が侵攻してきた。ジャムは不可知の存在で、対話不能。人類は反撃し、超空間通路の向こうにある惑星フェアリィに橋頭堡となる基地を設営。フェアリィ空軍(FAF)がジャムの侵攻を食い止めた。

30年後。長引く消耗戦にエリートの損失を嫌った各国は、犯罪者や精神異常者をFAFに送り込むようになった。かくして「人類のはみ出しものが、異世界で人類を守る」という構図ができあがる。地球人にとって、「通路の向こう側の戦争」はリアリティを失っていた。

FAFは社会不適合者のなかでも他者に関心をもたない人間ばかりを集め、戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊、通称ブーメラン戦隊を組織した。その任務は、たとえ味方が全滅しても戦闘情報を持ち帰ることだった。
深井零はブーメラン戦隊のパイロット。愛機「雪風」と、友人のブッカー大佐以外は何者も信頼せず、関心を示さず、日々の作戦に従事している。

ジャムとの戦闘は苛烈さを増した。FAFは次々に新兵器を投入すると、ジャムも進化し、また新たな兵器が必要になる。気がつけばコンピュータが作戦を立案し、コンピュータが戦っている。人間は戦争の主体でなくなろうとしていた。

OVAでは、まったく描かれておらん。

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