さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅 Adieu Galaxy Express 999 [Movie]

5ツ星

真の意味で、少年が男になった物語

思えば前作における鉄郎の行動は、メーテルの思惑通りだったと言える。うがった見方をすれば、母親を殺す勇気がないメーテルが、鉄郎を利用したとも解釈できる。
しかし本作では、鉄郎は自分の意志で行動する。
「どこかの星でいっしょに暮らそう」というメーテルを無視したり、その裏切りに激怒して銃口を向けるが殺せなかったりと、振りまわされつつも、自分の納得できる答えを探そうとする姿勢が見られる。

しかし全体としては、そうした葛藤部分よりも、黒騎士ファウストとの親子対決がクローズアップされてしまう。黒騎士がまた強烈にカッコイイため、これはこれで満足であるものの、注意がそれてしまったのは残念。

いささか話が飛んでいる傾向はあるが、ラストではハーロックがモノローグで締めてくれるので、大きな不満はない。
鉄郎がこのとき17歳かと思うと、こいつは宇宙の歴史に名を刻むなと予感させる。
こんな風に生きたいと思うよ。