太陽の牙ダグラム (全75話) Fang of the Sun Dougram [TVA 81.10.23-83.03.25]

1981年 アニメ 3ツ星 ロボット @高橋良輔

かつて、重厚にして骨太なアニメドラマが存在した!

とにかく政治ドラマが複雑だった。
明確な善も悪も存在せず、利害関係や状況によって変節することさえある。三十路を過ぎた今、解説書を読んでも理解に苦しむほどだ。当時10歳だった私に理解できるはずもない。

ロボット(コンバット・アーマー)もリアルすぎる。
万能兵器ではなく、運用に多大な人員と手間を要する機械として描かれていた。トレーラーで運んだり、ネットで隠したり、装甲を取っ払って軽くしたりと、現場の知恵も細かく演出されていた。

キャラも骨太だ。
美形キャラはまったく存在せず、すね毛の濃いオヤジばかり。主人公の恋人さえ、頬骨が目立つ十人並だ。美少女なんて、ポスターの中にすら登場しない。

こんなアニメが、全75話も放映されたのだ。考えてみると、じつにスゴイことだ。難解な話はよくないと言われるが、この数字を見るとそうでもないように思える。いつの世も子どもたちは、こういう難解なドラマを見て、学び、育っていくのかもしれない。

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