愛は霧のかなたに Gorillas in the Mist: The Story of Dian Fossey

1998年 外国映画 3ツ星 実話に基づく

霧に隠されたのは、ゴリラではない

経験も知識も乏しいまま、単身でアフリカの奥地にやってきたダイアン・フォッシー。現地人に接する態度は傲慢なアメリカ人そのもので、あまり好感はもてない。あとから訪れたカメラマンに、上から目線で経験を問うシーンも同様。フォッシーはふつうの女性であって、偉人でも聖人ではない。ただ純粋で、ただ必死なだけ。それゆえ周囲との軋轢は増していき、悲劇的な結末を迎える。
──なぜ彼女は殺されたのか?
これは自己犠牲の美談ではない。彼女はゴリラばかり見ていたせいで、なにかを見落としたのだ。そこには、とても重要なヒントが隠されているように思う。ゴリラの生態も重要だが、私たちはまず、私たち自身を学ばなければならないのだから。

あとで知ったことだが、実在の人物をモチーフにしていたのね。事件の掘り下げが足りないのはそのせいか? しかしロマンスは創作だと思うから、いささかバランスが悪い。いろいろ思うところはあるが、シガニー・ウィーバーの演技、ゴリラの映像は見事だった。おもしろかった。

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