バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】 Battle Royale II: Requiem

2003年 日本映画 1ツ星 デスゲーム

くっだらない

生徒同士の殺し合いを戦争に置き換えたのはいい。2人1組のルールも秀逸で、個人主義を封じ、作戦行動を円滑にしている。障害に苦しむ可能性がなければ、生きるか死ぬかの賭けはたやすい。あんなに抵抗していた生徒たちも、まんまと戦争の道具にされてしまった。しかし子どもたちに罪はない。子どもなのだから。

問題は後半だ。「WILDSEVEN」は本物のテロ組織だったので、政府(悪)vs抵抗軍(善)の図式が崩れてしまった。馬鹿な若者が、馬鹿な思想に毒され、馬鹿なことに命をかける。もう、馬鹿馬鹿しくて見てられない。
私が期待した展開を書いておく。

  • 「WILDSEVEN」というテロ組織は存在しない。首都庁舎爆破テロは政府の自作自演であり、「全ての大人に宣戦布告する」という犯行声明はCG合成だった。
  • 政府は「敵」を作ることで支持率を高め、綱紀粛正していた。子どもによる散漫な攻撃も、敵を滅ぼさないための措置である。実際、政府は「WILDSEVEN」に食糧や武器を支援していた。
  • 七原(藤原竜也)はカリスマリーダーと思われているが、実際はただの若者だった。
  • 「WILDSEVEN」の目的は生き残ることであり、政府と戦うつもりはない。
  • 諸外国からの圧力が高まったことで、政府は本腰を入れて殲滅することになった。
  • 「WILDSEVEN」のメンバーは戦って死ぬか、逃げて生き延びるかの選択を迫られる。

『I』は娯楽として楽しめたが、『II』は政治色がつよくて気分が悪くなった。死にたがる子どもがいると、戦争が終わらない。子どもたちは生きろ。正邪を問うのはそのあとだ。

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