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[レビュー1951年04月06日に発表された 

遊星よりの物体X

The Thing from Another World

「空から目を離すな!」

SFホラーの古典的傑作。当時の技術では「人間に同化する怪物」は表現できなかったため、フランケンシュタインのようなモンスターに立ち向かうサバイバルホラーになっている。単純と言えば単純だが、こういう古典が足場を固めてくれたおかげで現代の傑作がある。

調査を求める科学者、即時殲滅を命じる軍人、真実を伝えようとする記者が対立するが、事態が逼迫すると見解の差は棚上げされる。なんともほほえましい。ほぼ完璧な勝利で締めくくるラストは新鮮だ。私たちはいつから悲劇や破滅を求めるようになったのだろう?
意図した演出なのか、科学者と軍人が議論している前で、無線技士がせっせと巻きたばこを作るシーンがある。状況がわかっていないのか、自分には関係ないと思っているのか。自分の領分から出てこない技術者の姿も印象的だった。

本作にかぎらないが、古い映画はカメラワークが安定してる。地に足が着いているから、没入感が高い。調査隊に同行しているようだ。なかなか姿を見せない怪物。事件発生前からギスギスした人間関係。ガイカーカウンターの音。演出も冴えている。古いは古いが、おもしろかった。

「The Thing」の比較
-1951年版1982年版(2011年版)
宇宙船飛来した10万年以上前からあった
舞台北極、アラスカ南極
メンバー構成科学者、軍人、記者調査隊
物体X血漿を養分にして繁殖する細胞と同化して成り代わる
弱点電撃火炎
被害負傷者は出るが全員無事全滅


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