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[レビュー1966年08月13日に発表された 

網走番外地 南国の対決

Abashiri Bangaichi: Nangoku no Taiketsu

沖縄が外国だったころ

「網走番外地」シリーズ第6作目。返還される8年前の沖縄はパスポートが必要な外国だった。最初は意味がわからず困惑した。60ドルが2万円? これが当時の沖縄の建物、景色、人々の暮らしか。青空がまぶしい。教科書で読むよりずっと勉強になる。

夏子(大原麗子)が若い。細身につんとした胸が愛らしく、ノースリーブの肩にどきっとする。また声がいい。破壊力抜群だ。占領地でたくましく生きていく姿は、『装甲騎兵ボトムズ』のココナの源流かもしれない。

橘は少年のスリを一度は見逃すが、二度目は許さなかった。少年の言い分は聞くが、容赦しない。橘はなぜ怒っているのか? 少年はなにを思ったか、高熱で倒れてしまったのが残念でならない。
その後、少年は水商売をやっていた母親を拒絶する。打ちひしがれる母親に橘は言う。
「追いかけて、抱きしめてやれ!」
なんて率直なアドバイス。すぐ捕まるかと思ったが、少年の逃げ足は早い。このあたりの展開は感動的だった。
ラスト、少年は父親と対面するが、運命はハッピーエンドを許さなかった。しかし少年は強く生きていくだろう。橘がなにをしたわけでもないが、少年の心に焼きついたことがわかる。かっこいい。

ストーリーは行きあたりばったりなんだけど、気がつくと噛み合って、さわやかなラストを迎えている。高倉健がやるべきこと/やるべきでないことが、明確に確立されている。あらすじを書き出してもつまらないが、映画で見るとおもしろい。不思議なシリーズだ。

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