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[レビュー1995年03月04日に発表された 

ドラえもん(16) のび太の創世日記

Doraemon: Nobita's Genesis Diary

目がまわるようなメタ構造

夏休みの自由研究で、宇宙を作ってしまうとは! すごいぜ、創世セット。
しかし物語が進むと、ややこしいことになってくる。のび太の新世界で昆虫人が進化して、やがてタイムマシンで宇宙の外、つまり現実世界(=神様のいる世界)にやってくる。あれ? 冒頭でタイムパトロールが追いかけていたときは、のび太はまだ創世キットを使っていなかった。あの時点で、のび太が宇宙を作ることや、"神のイタズラ"まで確定していたのか。
昆虫人の知能もすさまじい。人類の文明が19世紀レベルなのに、昆虫人はタイムマシンやロボット(エモドラン)を開発している。さらに自分たちの起源をさかのぼり、歴史に介入があったこと、神が実在することを証明している。どれほどの知性があれば、そんな証明ができるだろう? 考えるだけで気が遠くなる。

そして驚愕の解決法。創世セットの中で、創世セットが使えるなんて! それってつまり、私たちの現実世界もまた、創世セットの産物かもしれないってことだ。そしてのび太のような神が介入したことで、たまたま人間の世になっている。
それって、いま現在も昆虫人がいるってこと? いや、19世紀の時点で神さまが解決してるか。それは誰?
あぁ、考えれば考えるほどこんがらがる。

藤子・F・不二雄先生がどこまで計算していたかわからないけど、ものすごいSFだった。


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