恋人はスナイパー 劇場版 My Lover Is a Sniper: The Movie

2004年 日本映画 2ツ星 テロ 主人公は殺し屋

これって、テレビ局が作った映画なんだよね?

内村主演なので、どうせコメディだろうと思っていたが、けっこうシリアスな演技をするので驚いた。水野美紀のカンフーも派手さがあってイイね。
「テロリストが日本国民1億3千万人を人質にして、政府に身代金を要求する」という滑り出しはおもしろい。すんなり政府がお金を払うはずもなく、また犯人グループの目的も別にあるだろうから、どんな社会シミュレーションがはじまるのかと期待した。

しかしまぁ……がっかり。
政府も警察も、そして犯人グループにもリアリティがなく、ちっちゃいドラマが転がっていくだけ。いかりや長助だけが事件の意味を考えるものの、悲しいほど小さな扱い。やがてドラマは、主人公2名の悲哀に集約されていき、「社会」は見えなくなる。なんだ、こりゃ?
そんなに悲哀を描きたかったのか? だったらこんなテーマを持ち出すなよ。押井守に監督させれば、おもしろい映画になっただろうに。

テレビ局の描き方も奇妙。テロリストと警察に言われるまま情報を垂れ流し、国民を右往左往させるだけ。有事の際はテレビ局も無力と言いたいのかな? もうちょっと考えて作ろうよ。
この映画そのものが、自爆テロ(しかも不発)に見える。

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