劇場版 イナズマンF Inazuman Flash The Movie
1974年 特撮 4ツ星 SF:新人類 サイボーグ ロードムービー 変身 管理社会 超能力 @石ノ森章太郎ハードSFだった
あらすじ
渡五郎(イナズマン:ミュータント)と荒井誠(インターポール捜査官:サイボーグ)は、ガイゼル総統率いるデスパー軍団を倒すため、今日も旅をつづけている。
ふたりは助けを求めるユキという女戦士と出会う。ユキの話によると、デスパー軍団は5万人もの人間を誘拐し、デスパーシティという地下都市に閉じ込めているという。ユキもサイボーグ手術を受け、デスパー軍団の幹部になっていたが、人々を開放するためにやむをえなかったと言う。
荒井はダイオードVS3という部品が損傷したことで、あと24時間しか生きられなかったが、デスパーシティには妻子がいるかもしれない。荒井は残された時間を妻子のために使うことにした。
デスパーシティに潜入した3人は、反乱分子と合流する。ユキの弟が荒井の家族を知っているというので、35街区に行ってみると、ボイラーデスパーに待ちぶせに遭う。五郎たちは逃げ延びたが、数名の仲間が殺された。
ユキは、弟が密告者であることを見抜き、ライフルで射殺する。弟は外の世界に行きたいだけだったが、それは許されない望みだった。五郎はユキを責めるが、そんなことをしている場合ではない。ユキは、手に入れたダイオードVS3を荒井にわたし、ガイゼル総統のもとへ案内する。そこでウデスパー兄弟を道連れに自爆してしまった。そのとき荒井は、ユキが自分のダイオードVS3を託してくれたことに気づく。五郎はイナズマンに変身して戦うが、強い攻撃を受けて昏倒する。
目が覚めるとふたりは海辺に倒れていた。デスパーシティの出来事は夢ではない。いつか必ずデスパー軍団を倒すと、五郎は固く誓うのだった。(おわり)
第12話『幻影都市デスパー・シティ』のブローアップ版。『イナズマンF』はこれが初見になるが、子ども向けとは思えないハードな展開にびっくりした。とにかく濃密で、30分の上映が2時間くらいに感じられた。見終えたあとも、ほかに方法がないか考えてしまう。すごいよ。
人工太陽が照らす地下都市デスパーシティ。15歳になるとサイボーグ手術を強制され、反抗的な人間は催眠光線で従順にさせられる。怖ろしい。荒井は24時間のいのちと聞いても動揺せず、サイボーグだから24時間も生きられると笑っていた。渋すぎる。ユキもいちいち心情を説明せず、黙って行動し、黙って散っていった。渋すぎる。もうイナズマンなんかいらない。『ウルトラセブン』と同じだ。脚本は上原正三さん。あぁ、やっぱり。
『イナズマン』シリーズは見直す勝ちがあるかもしれない。
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