ジャスティス Hart's War

2002年 外国映画 3ツ星 主人公は軍人 囚人 戦争 法廷 @B.ウィリス

"誇り"を問うてる場合じゃない

序盤は方向性がつかめず退屈だったが、状況が見えるとおもしろくなった。収容所で起こった殺人。軍法会議。背後で進められる脱出計画。大義のため犠牲が出ることはやむを得ないのか? なんのために、なにを犠牲にするのか? 緊張感が高まっていく。

しかしハート中尉の無駄な告白がすべてを台無しにした。超人的なマクナマラ大佐に対し、ハート中尉はふつうの若者でしかないのだが、その心中がわからない。法の正義? 倫理? 戦争の要請? 自己犠牲に酔ってしまったとしか思えない。そこへマクナマラ大佐がのこのこ戻ってくるから、驚いた。結局、この人も自己犠牲に酔ってしまったわけか。

原題は「Hart's War」、つまり「ハート中尉の戦い」になるが、彼はなんのため戦っていたのか。同じことがマクナマラ大佐にも言える。登場人物は多くないのに、心中が見えない。収容所のその後も描かれない。この映画はなにを伝えたかったのか。

スタートが遅く、終わりはあっけない映画だった。

ページ先頭へ