ユニバーサル・ソルジャー Universal Soldier

1992年 外国映画 3ツ星 アクション 主人公は軍人 死体蘇生 @ジャン=クロード・ヴァン・ダム

飛べと言われたら、どこまでですか?と言え。

友人にすすめられ、先に小説を読んじゃった。
ユニバーサル・ソルジャーとは、ベトナム戦争の戦死者から作られた強化人間、およびその部隊。彼らには記憶も戸籍も人権もない。恐怖や苦痛もない。1990年、テロリストの制圧に投入されたが、スコット(ドルフ・ラングレン)とリュック(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)が制御を離れてしまう。真相を暴こうとする美人リポーターのヴェロニカ(アリー・ウォーカー)と、秘密裏に処理したい軍隊の思惑が激突する。

つまり現代版フランケンシュタインの怪物。軍隊が秘密裏に製造し、運用テストするというアイデアが素晴らしい。強烈な説得力がある。

しかし映画はいまひとつ。リュックの自我が残っているのかどうか、よくわからないまま話が進むからだ。かたやスコットはやりたい放題。リュックの精神状態を隠す理由はない。
後半は単純な追いかけっこ。それはいいが、親子再会は納得しがたい。25年前に死んだ息子がふらりと帰ってきたら、驚くより恐れるだろう。両親が状況を理解できたとして、悲劇しかない。ならば「自分はもう死んでいる」と去るか、会って拒絶されてヒーローになる転機にするべきだろう。どうにもツボを外している。

設定はおもしろいのに、もったいない映画だった。

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